愛知・名古屋アジア競技大会【写真:Getty Images】
愛知・名古屋アジア競技大会で、宿泊、移動、食事と選手生活の基本部分を巡るトラブルが相次いでいる。各国メディアは自国選手が巻き込まれた事例を次々に報じており、大会運営に厳しい視線を向けている。
アジア大会組織委員会に“正式謝罪”要求
宿泊では、タイのセパタクロー代表が名古屋港のクルーズ船に到着したものの、宿泊登録が確認できず部屋に入れない事態が発生。タイ紙『Daily News』は、選手らが長時間ロビーで待機し、一部の選手たちが床で就寝する様子を報じた。韓国側からもコンテナ型宿舎のベッドが短い、水漏れが起きたなどの不満が上がり、韓国バスケットボール協会のチョン・ジェヨン副会長は、男子代表の宿泊環境について「私の経験では、これまでで最悪だ」と厳しく評価した。
移動面でも問題が続いている。U-23サッカー韓国男子代表は、公式会見への車両が来ない、試合会場へ向かうバスが誤って野球場へ向かう、翌日には練習用車両が配車されていないというトラブルに3日連続で遭遇した。さらに韓国男子バスケットボール代表は、日本との決勝当日に練習用バスが来ず、予定していた練習を中止。韓国メディア『SBS』は「呆れたノーショー」と、異例のトラブルについて報じている。
ベトナム女子バレー代表も21日のインドネシア戦で、送迎車が1時間15分遅れて到着。チームを率いる監督は「予定通り出発する準備をしていたが、車が来なかった」と説明し、試合開始も午後1時から1時30分へ変更された。インドネシア男子バスケ代表も日本戦当日に41分間バスを待たされ、インドネシアメディア『ANTARA』は代表関係者の「非常に残念」との声を紹介している。
タイ選手団からも食事を巡る不満が出ている。タイ紙『Khaosod』は、テックボール代表のコーチが競技会場で提供された昼食について「少なすぎる」と反応した様子を紹介。代表チーム側で選手の食事を別途用意する対応を取ったと伝えている。
一方、大会組織委員会は22日、宿泊や食事を巡る一部報道について公式見解を発表。クルーズ船への乗船が遅れた問題について、一部選手団から提出された書類の不備を解消するのに時間を要したことが主な原因との認識を示した。また、テックボール会場で批判の声が上がった食事については「大会組織委員会が提供したものではない」と説明している。
大会は19日に開幕したが、開会式でも観客席の空席が注目された。シンガポールの『CNA』は「華やかな開会式だったが、観客の入りは低調だった」と報じ、主催者がチケット完売としていた一方で、約3万人収容のスタジアムには何列もの空席があったと指摘。中国メディア『中华网』は、「アジア大会開会式の入場率は惨たん、観客席の大量の空席が議論呼ぶ」と空席が目立った開会式の様子に厳しい言葉を送った。
相次ぐトラブルについて、タイメディア『Nation Story』は、日本がこれまで「時間に正確な交通・輸送」「世界最高水準の物流」「おもてなし」で高い評価を受けてきたと指摘。そのイメージとは対照的に、今大会では宿泊や移動などを巡る混乱が続いているとして、「アジア大会は、日本というブランドを大きく揺るがすほどの混乱した光景とともに幕を開けた」と厳しく評している。