
守備で奮闘するも、攻撃では見せ場を作れなかったU-21日本代表MF大関友翔【写真:Getty Images】
U-21日本代表は26日、第20回アジア競技大会、男子サッカー準々決勝でU-23北朝鮮代表と対戦し、1-0で勝利した。ノックアウトステージで最も重要なのは勝ち上がることであり、日本は最低限のミッションを達成した。ただ、北朝鮮の勢いに押された90分を振り返ると、一つの疑問も残る。大岩剛監督率いるチームは、この試合をどのように進めようとしていたのだろうか。
「守る」のか、それとも「握る」のか
日本は立ち上がりから、北朝鮮の強度に苦しんだ。
グループステージでは、自陣ペナルティーエリア付近にブロックを敷いてくる相手が多かったのに対して、北朝鮮は前から連動したプレッシングで球際に激しく寄せ、セカンドボールに対する強さも見せていた。
連戦の疲れや荒れた芝の影響もあったかもしれないが、日本は序盤を過ぎてもなかなかボールを収められず、セカンドボールを拾われてからのショートカウンターのような形で、北朝鮮に何度もシュートまで持ち込まれた。
日本もボールを保持する時間は作ったが、それも試合の主導権には直結しなかった。
前半終了時点でボール保持率は日本が54%と北朝鮮を上回っていた。それでもシュート数は日本の2本に対し、北朝鮮は7本。ボールを持つ時間こそ確保していたものの、よりゴールへ迫っていたのは北朝鮮だった。
そんな難しい流れの中、39分にンワディケ・ウチェブライアン世雄がワンチャンスを仕留めて先制。苦しい時間帯で得点できたことは大きかった。
ただ、問題は、それでも試合展開が変わらなかったことだ。
後半も変わらず、北朝鮮に押し込まれる時間が続いた。ペナルティーエリア内まで侵入され、決定的な場面を作られることもあった。
1点をリードしたのであれば、自陣にブロックを敷き、相手にボールを持たせながらカウンターを狙う戦い方もある。反対に、前に急がずボールを保持しながら相手の勢いをいなし、試合を落ち着かせるという選択肢もあった。
もちろん、90分間どちらか一方だけを選択する必要はない。
ただ、この日の日本は、苦しい時間帯に何を拠り所として戦うのかという“ゲームプラン”が最後まで全く見えなかった。
相手に押し込まれれば後手を踏んで対応し、奪えば同じリズムで前へ出る。その繰り返しで、局面ごとに対処しているような印象が強かった。
もちろん、大岩監督も目まぐるしい試合展開を落ち着かせたいとは考えていたはずだ。59分に中島洋太朗に代えて石渡ネルソンを投入した交代策にも、その意図があったのかもしれない。
局面ごとでは、選手たちは懸命に対応していた。
市原吏音を中心とした最終ラインは最後まで集中を切らさず冷静に対応し、GK荒木琉偉も数度、決定的なピンチを防いだ。だからこそ無失点で終えることができた。
一方で、チーム全体として「この時間帯はこう戦う」という共通した軸までは伝わってこなかった。
北朝鮮は少ないタッチ数でシンプルに前進し、セカンドボールも決して譲らない姿勢を試合を通してはっきりと示していた。それに対して日本は、自分たちがどのように試合を進めたいのかが見えないまま、常に北朝鮮のアクションに対するリアクションを迫られていた。
思い通りにならない苦しい試合を1-0で勝ち切ったこと自体は大きい。
攻め込まれる時間が長かったこと自体を問題視するつもりはない。素早いプレー選択で前進し、中盤より前でも自信を持って果敢に仕掛けた北朝鮮の出来が良かったことも、日本が苦しんだ大きな要因だろう。
ただ、リアクションに終始し、方向性の見えないサッカーは、中継で試合を見届けた視聴者にとって、かなり退屈に映ったはずだ。
本大会は、2028年ロサンゼルスオリンピックを見据え、選手を試しながらチームを作り上げていく過程でもある。完成されたチームではない以上、すべての試合で理想通りのサッカーができないのは当然だ。
それでも、この世代には未来への期待が向けられている。
選手たちは2年後のオリンピックを目指し、大岩監督は来年3月からA代表の指揮も執る。だからこそ、結果だけでなく、このチームがどのようなサッカーを目指しているのかが伝わる試合も見たい。
難しいミッションであることは間違いない。それでも準決勝以降では、U-21日本代表が、そして大岩監督がどのようなサッカーを志向しているのか、その輪郭が見えるような、より能動的な戦いを期待したい。
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