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ベネズエラのPKが一転、日本のPKに。なぜ? VAR“逆転判定”の仕組み、5年前にもベンゼマ困惑

text by 編集部 photo by Getty Images

日本代表 対 ベネズエラ代表 VAR
試合終了直前、ベネズエラにPKが与えられたかと思われたが、VARの介入によって判定は一転した【写真:Getty Images】



 日本代表は28日、キリンチャレンジカップ2026でベネズエラ代表と対戦し、2-1で勝利した。決勝点が生まれたのは後半アディショナルタイム。一度はベネズエラにPKが与えられたかと思われたが、VARの介入によって判定は一転。反対側の日本にPKが与えられるという珍しい展開となった。



5年前にも起きた“逆転PK判定”

 1-1で迎えた試合終了間際、日本はベネズエラのペナルティーエリア内で久保建英が倒されたものの、主審は笛を吹かず、そのままプレーを続行した。

 そこからベネズエラがカウンター。日本陣内までボールを運び、ペナルティーエリア内で鈴木淳之介が相手選手を倒すと、一度はベネズエラにPKが与えられた。

 しかしVARが介入し、主審はその直前に反対側のペナルティーエリアで久保が倒された場面を確認。判定は一転し、ベネズエラのPKは取り消され、日本にPKが与えられた。上田綺世がこれを決め、2-1で逆転勝利を収めている。

 なぜ、この“逆転PK判定”が起きたのか。

 ポイントは、久保が倒された場面そのものが「PK/ノーPK」の事象としてVARのチェック対象だったことにある。

 主審はその場では笛を吹かずにプレーを続行させたが、「PKを与えるべきだったか」という判断はVARが確認できる。そのため、その後もプレーが続いている間は、久保の場面についてVARによるチェック、必要に応じたレビューが可能だった。

 さらに今回は、久保が倒されてから一度もプレーが途切れないまま、ベネズエラにPKが宣告された。VARは一度プレーが再開された後は、原則としてそこまで遡って判定を変更することはできないが、プレー再開前であれば対象となる事象をレビューできる。

 つまり、仮にその後ベネズエラがPKを獲得せず、スローインなどでボールが外に出ていたとしても、その再開前であればVARによるチェックを続けることができ、必要であれば主審は再開を遅らせてレビューすることができる。

 今回は、離れた二つのペナルティーエリアで起きた事象が、同じインプレーの中で続いたことで、「ベネズエラのPK」が取り消され、「日本のPK」に変わるという珍しい光景が生まれた。

 VARプロトコル上、久保が倒された場面まで遡ってレビューすること自体は認められている。

 一方、ベネズエラ側は判定に納得できない様子を見せ、判定後には選手たちが強く抗議。試合後も主将ジョン・アランブルが判定への不満を口にしていた。

 もっとも、こうした“逆転判定”とも呼べる事象が起きたのは今回が初めてではない。5年前のスペインでも、よく似た判定が起きている。


 2021年5月9日に行われたラ・リーガ第35節、レアル・マドリード対セビージャ戦だ。

 1-1で迎えた後半、レアルはカウンターから一気にゴール前へ。カリム・ベンゼマがGKヤシン・ブヌをかわしたところで倒され、主審はレアルにPKを与えた。

 しかし、その直後にVARが介入。確認されたのは、実はその前、反対側のペナルティーエリアで起きていたプレーだった。

 セビージャのCKからエデル・ミリトンの腕にボールが当たっており、VARの確認を経てハンドと判定。レアルのPKは取り消され、一転してセビージャにPKが与えられた。

 イバン・ラキティッチがこれを決め、セビージャが一時2-1と勝ち越している。試合は最終的に2-2で終了した。

 当時は、ラ・リーガでVARが導入されてまだ3シーズン目。映像では今回のような強い抗議というより、突然判定が覆ったことに困惑するベンゼマやジダン監督らの表情が印象的に映し出されている。

「自分たちのPK」と思った直後、VARによって「相手のPK」に変わる。今回の日本対ベネズエラ戦と非常によく似た“逆転判定”だった。

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