
イタリア代表デビュー戦で初ゴールを決めたDFマイケル・カヨーデ【写真:Getty Images】
イタリア代表デビュー戦で初ゴールを決めたマイケル・カヨーデ。現在はプレミアリーグで活躍する22歳だが、16歳でイタリア4部にデビューし、優勝後にはクラブの財政問題で契約解除も経験した。異色のキャリアを経て、いかにアッズーリまでたどり着いたのか。
4部で優勝も全選手が契約解除…
イタリア代表は28日、UEFAネーションズリーグでトルコ代表と敵地で対戦し、4-1で勝利した。
ロベルト・マンチーニ監督は、25日のベルギー代表戦から先発8人を変更。右サイドバックには、今回がA代表初招集だったマイケル・カヨーデを抜擢した。
22分にはカヨーデのシュートをGKが弾き、そのこぼれ球をダビデ・フラッテージが押し込んで追加点。さらに27分、フランチェスコ・ピオ・エスポージトからのパスを受けたカヨーデ自身がネットを揺らし、A代表デビュー戦で初ゴールを記録した。
現在はプレミアリーグのブレントフォードでプレーする22歳だが、そのキャリアは順風満帆なエリート街道ではなかった。
幼少期からユヴェントスの育成組織でプレーしたものの、そのままトップチームへ昇格したわけではない。ゴッツァーノへ移籍し、16歳だった2020/21シーズンにはイタリア4部相当のセリエDでプレーした。
ブレントフォード公式サイトが2025年5月に公開した本人へのロングインタビューによれば、当時のチームメートには仕事をしながら家族を養う選手もいた。年上の選手たちと過ごした経験について、カヨーデは「大人になるうえで重要だった」という趣旨で振り返っている。
現在の代名詞とも言えるロングスローを発見したのも、この頃だった。
ブレントフォード公式の別のインタビューによれば、16歳のある日、ジムでチームメートと何気なくスローインを投げたところ、その飛距離に周囲が驚いたという。監督から武器として使うよう勧められたロングスローは、現在もブレントフォードの攻撃を支える武器の一つとなっている。
ピッチ上でも結果を残し、ゴッツァーノは同シーズンのセリエD・グループAで優勝した。しかし、クラブの財政問題によってセリエCへの昇格は実現せず、所属選手全員が契約解除となった。
カヨーデもブレントフォード公式のインタビューで、昇格のために努力を重ねていただけに大きな打撃だったと明かしている。
それでも、その活躍が次の道を切り開いた。
フィオレンティーナへ加入すると、プリマヴェーラ(U-19)から再出発。カヨーデ自身はこの移籍について、セミプロの環境から高いレベルの育成環境へ移る「ステップアップ」だったと振り返っている。
2023年にはU-19イタリア代表としてUEFA U-19欧州選手権に出場。ポルトガル代表との決勝で決勝点を奪い、イタリアを20年ぶりの優勝へ導いた。その約1か月後にはフィオレンティーナでセリエAデビューを果たし、2023/24シーズンはリーグ戦26試合に出場した。
2025年1月にはブレントフォードへ期限付き移籍し、その後完全移籍。プレミアリーグでも評価を高め、今年7月には2032年までの新契約を結んでいる。
そして今月、ついにイタリアA代表へ初招集された。
カヨーデは22日の代表合宿中の記者会見でも、ユヴェントスからゴッツァーノへの移籍を「大きな変化だった」と振り返りながら、その経験が現在のレベルへ到達する力になったと語っている。
カテゴリーを下げることになった若い選手たちに対しても、落胆する必要はなく、そこで大きく成長できる可能性があるというメッセージを送っていた。
その発言から6日後、22歳は初めて立ったイタリアA代表のピッチでもゴールを決めた。
16歳で4部リーグを制しながら、クラブの事情によって契約を失ったカヨーデは必ずしもエリート街道を歩んできたわけではない。カテゴリーを下げ、思い描いていたキャリアから外れた経験もある。
それでも一歩ずつ階段を上り、ついにはアッズーリで新たな一歩を踏み出した22歳は、さまざまな環境でチャンスを待つ若手選手たちにとって、一つのロールモデルになりつつある。