なでしこジャパン(サッカー日本女子代表)は29日、アジア競技大会・準決勝で韓国女子代表と対戦し、2-0の勝利を収めた。狩野倫久監督は、上野真実をアンカーに配置するなど、“サプライズ”起用もしてきた。日韓戦では、成宮唯を中央に配置すると、後半は攻撃が活性化した。
成宮唯は中央に配置すべき
今大会では、上野のアンカー起用の他、格下相手に長くボールを保持できることも考えてか、浜田芽来や伊東珠梨をセンターバックでプレーさせるなど“サプライズ”起用をしてきた。
韓国戦では、4バックに右から浜田、伊東、後藤若葉、桑原藍を配置。
アンカーに上野を置き、インサイドハーフに塩越柚歩と宝田沙織、3トップは右から成宮唯、神谷千菜、中嶋淑乃を起用している。
前半は、アジアカップのメンバーも入り、ベテランと若手が融合した韓国相手に苦戦。
雨の影響によるピッチコンディションも悪く、日本はイージーミスもあり、あわや失点のシーンも作ってしまった。
左サイドの中嶋と桑原は良い連係でリズムを作り、チャンスも創出していたが、日本の右サイドは相手の左サイドバックのチャン・スルギと左サイドのヒョン・スルギに苦戦し、やや窮屈な印象だった。
今大会は右サイドでの起用が多い成宮は、サイドアタッカータイプではなく、中央でパスを供給し、ペナルティエリア内へ侵入してゴールに直結するプレーが特徴的だ。
右サイドでもプレー経験のある成宮だが、限定されたプレーだと、特徴が最大限に発揮されない。
成宮は前半も果敢に攻めていたが、後半に中央へポジションを移すと、水を得た魚のごとく躍動。
後半から宝田に代えて水野蕗奈を投入し、成宮をインサイドハーフ、右のウィングに浜田が入る。
すると、成宮は中央で縦横無尽に駆け回り、INAC神戸レオネッサでも見るような前線でのプレスや、左右に流れるなどし、攻撃を活性化させた。
54分の先制シーンでは、カウンターから浜田が右サイドへ展開し、それを受けた成宮がボールをキープしてからパスを送る。
それが繋がり、上野がクロスを供給すると、最後は神谷がヘディングで決めている。
また、2点目は上野と成宮のプレスが相手のミスに繋がり、神谷が追加点。
2点とも、後半にポジションを変えた成宮が絡んでいる。
もちろん、韓国に疲れが見えてきたこともあるが、成宮を中央、浜田をSBから一個前、水野をSBと適正なポジションに選手を配置したからこそ、攻撃が活性化され、得点が生まれたとも言える。
海外組を含めたなでしこジャパンでも、山本柚月や千葉玲海菜など攻撃的な選手や、CBの高橋はなをSBに配置するなど、本来とは異なるポジションでも起用している。
異なるポジションでプレーさせることにより、選手個人の幅が広がるなど利点もあるが、本来の場所でプレーさせ、能力を最大限に活かすことは、FIFA女子ワールドカップを見据えても重要なことだ。
今後海外組との“融合”を見据えるなら、適正ポジションで起用し、見極めることも必要なのかもしれない。
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