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なぜウズベキスタンは各年代で強い? U-21日本代表が挑む“育成大国”、国を挙げて築いた強化システム

text by 編集部 photo by Getty Images

U-21ウズベキスタン代表
アジア競技大会、男子サッカー準決勝でU-21日本代表と対戦するU-21ウズベキスタン代表【写真:Getty Images】



 U-21日本代表は30日、第20回アジア競技大会、男子サッカー準決勝でU-21ウズベキスタン代表と対戦する。近年、U-17からA代表まで各年代で結果を残し、急速に存在感を高めているウズベキスタン。その躍進の背景には、国を挙げて長年築いてきた選手育成の仕組みがある。

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各年代で続く躍進とその理由

 ウズベキスタンは、フィジカルの強さや球際の激しさを武器とする中央アジアの強豪だ。今回のアジア競技大会も、日本と同じく2028年ロサンゼルス五輪を見据え、21歳以下の選手のみでメンバーを編成している。

 近年はアジアの育成年代で急速に存在感を高めている。その強さは、一つの「黄金世代」が現れたということだけでは説明できない。

 2018年にはAFC U23選手権を制覇し、その後も同大会の後継となるAFC U23アジアカップで2022年、2024年と2大会連続で準優勝。2024年には史上初の五輪出場も果たした。さらに2023年にはU20、2025年にはU17でアジアカップも制覇。A代表も2026年ワールドカップへの初出場を果たすなど、世代を問わず継続的に結果を残している。

 その背景の一つにあるのが、国を挙げて進めてきた育成環境の整備だ。

 ウズベキスタン大統領府は2025年6月、公式サイトの「国民をさらに団結させる歴史的成果」と題した記事で、近年の国内サッカー改革を振り返っている。

 同国では2018年からサッカー改革が本格化し、国内14地域に子ども・ユース向けのアカデミーを設置。

 翌2019年には「2030年までのサッカー発展構想」を策定し、有望選手の発掘から専門育成、年代別代表へとつなげる仕組みを長期的な国家戦略として整えてきた。

 各地域の学校では「スクール・フットボールリーグ」を少なくとも年2回実施し、有望な児童・生徒を地域のスポーツ学校などへ選抜。2023年には幼児から大学まで対象を広げ、年代ごとの普及・育成策を拡充した。

 施設面では2025年、ユコリチルチク地区にナショナル・フットボールセンターが完成。最大6つの代表チームが同時に合宿でき、アカデミーや研究、スポーツ医療・リハビリテーションの機能も備えている。

 もっとも、学校年代からの普及、地域アカデミー、ナショナルトレーニングセンターといった施策自体は、世界的に珍しいものではない。

 特徴は、それらを才能の発掘から年代別代表までの長期戦略として束ね、全国規模で進めている点にある。2025年にはAFCの育成認定制度「Elite Youth Scheme」で最高位の3つ星認定を更新した。

 成果は代表チームの成績だけに表れているわけではない。アブドゥコディル・フサノフのように、育成年代の代表を経て欧州トップレベルへ進む選手も現れ始めている。


 では、なぜこれだけ大規模な育成改革を国主導で進めることができるのか。その背景には、ウズベキスタンという国の行政構造もある。

 経済協力開発機構(OECD)は2024年の報告書で、同国の行政を「中央集権的かつ階層的」と分析している。2019年のサッカー発展構想でも関係省庁にロードマップの実行責任を課すなど、中央で定めた方針を全国規模で動かしていくこと自体が、この国の政策の一つの特徴と言える。

 そして、国家主導でスポーツ選手を育てるという発想には、さらに長い歴史がある。

 旧ソ連時代の1962年には、現在のウズベキスタン・タシケントにソ連初とされるスポーツ寄宿学校が開設された。

 有望な子どもを集め、一般教育と並行してスポーツの理論や実技を専門的に学ぶ仕組みで、このモデルは後に他のソ連構成共和国にも広がり、同国でも独立後、専門的な選手育成が続いている。

 そうした国家主導の育成によって、以前から世界的な成果を残してきたのが、ボクシングやレスリングなどの格闘技だ。旧ソ連時代から育成基盤を持ち、独立後も国際大会でトップ選手を輩出してきた。

 もちろん、格闘技とサッカーを単純に同じ育成システムで結びつけることはできない。ただ、各地域から若い才能を発掘し、専門的な環境で育て、国際舞台へ送り出すという国家主導の考え方は共通している。

 格闘技では、その仕組みが以前から世界レベルの成果につながってきた。そして近年は、サッカーでもU-17、U-20、U-23、A代表と、カテゴリーをまたいで結果が現れ始めている。

 2018年のU-23アジア制覇から8年。日本の前に立ちはだかるのは、単に「今の世代が強い」ウズベキスタンではない。国全体で才能を見つけ、育て、その選手を次のカテゴリーへ送り込む仕組みを長い時間をかけて築いてきた“育成大国”である。

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