
U-21日本代表MF中島洋太朗とU-23韓国代表ペ・ジュンホ【写真:Getty Images】
16年ぶりの金メダルを目指すU-21日本代表が、アジア競技大会決勝でU-23韓国代表と対戦する。大会4連覇を狙う相手は、セットプレーと試合終盤の攻撃に強みを持つ。準決勝で120分を戦った日本は、どう対抗するべきか。韓国の要注意人物3人と、局面を左右しそうなポイントを整理する。
セットプレーと終盤の粘り強さに警戒
アジア競技大会男子サッカー決勝は10月3日、豊田スタジアムで行われる。オーバーエイジ(OA)枠を使わずU-21で臨む日本に対し、韓国は当代屈指のタレントとOA選手を擁し、大会4連覇を狙う。
韓国はここまで4試合で12得点2失点。大岩剛監督率いる日本は5試合で14得点1失点を記録し、準決勝ではウズベキスタンとの120分に及ぶ戦いを経て、PK戦で決勝進出を決めた。
日本は【4-3-3】を基軸に大胆なターンオーバーを実行し、GK小林将天以外の全選手が出場機会を得ている。多くの選手を起用しながら勝ち進んだことは収穫だが、14得点のうち12得点はグループリーグで挙げたもの。決勝トーナメントの2試合はいずれも1得点にとどまり、強度の高い相手を攻略する難しさも表れている。
決勝で警戒したいのは、韓国のセットプレーと終盤の粘り強さだ。12得点のうち7得点が61分以降に生まれている。準決勝の中国戦も先制されながら34分に追いつき、終盤のゴールで逆転した。
その2得点は、コーナーキックとクロスに頭で合わせたものだった。得点者は180cmのペ・ジュンホと193cmのイ・ヨンジュン。最終ラインには192cmのキム・ジスもおり、前後に高さのある選手をそろえる。
日本のDFでは市原吏音と岡部タリクカナイ颯斗が187cm。身長だけで空中戦の優劣は決まらないが、相手の狙う選手を自由にしない対応が欠かせない。韓国はDFシン・ミンハもサウジアラビア戦でフリーキックから得点しており、警戒対象はひとりに絞れない。
まず注意したいのは、OA枠の左ウイング、スウォンジー所属のオム・ジソンだ。初戦のカタール戦でハットトリックを達成し、今大会は3得点3アシスト。準決勝の2得点も、彼のコーナーキックとクロスから生まれた。
右利きで、左サイドからの仕掛けやチャンスメイクを得意とする。内側へ運んでシュートを狙うだけでなく、味方を生かす配球にも注意が必要だ。
アンカーに入る選手がカギ?
2025/26シーズンの英チャンピオンシップでは、54本のシュートで2得点。一方で、キーパス54本、クロス142本を記録した。今大会の働きも踏まえれば、得点者としてだけでなく、ゴール前へボールを届ける役割も警戒したい。
右サイドバックに梅木怜が先発すれば、直接対峙することになる。梅木の対応に加え、周囲がカバーに入るタイミングも重要だ。突破を止めようとして自陣の深い位置で不用意にファウルを犯せば、韓国が得意とするセットプレーにつながる。
2人目は、10番を背負うペ・ジュンホ(ストーク・シティ)だ。攻撃的MFや左ウイングを担う選手だが、警戒したいのはボールを持ったときだけではない。奪い合いへの関与と、そこから攻撃につなげる力は、日本にとって厄介な特徴になる。
2025/26シーズンの英チャンピオンシップでは42試合に出場し、ボール回収126回、タックル46回を記録。地上戦の勝率は54%で、ドリブル成功数も40回を数えた。攻撃を仕上げるだけでなく、ボールを取り戻す局面にも関わり、自ら運んで前進できる選手である。
この特徴は、日本がここまで見せた弱点と重なる。北朝鮮戦では、こぼれ球の奪取数が30対39と相手を下回り、セカンドボールを回収されてピンチにつながる場面があった。韓国戦でも同じ状況が続けば、ペ・ジュンホに回収から前進までを許す恐れがある。
日本はここまで、石渡ネルソン、保田堅心、中島洋太朗をアンカーの先発に起用してきた。誰を選び、周囲とどう連係させるかは、大岩剛監督の重要な判断になる。試合終盤にはセンターバックの永野修都を1列上げる選択肢もある。韓国の二次攻撃を断ち切るため、中盤のボール回収力をどう保つかに注目したい。
激闘のあとの疲労は…
3人目は、ブレントフォードに所属するキム・ジスだ。今大会は全試合に先発し、準々決勝で得点、初戦ではアシストを記録している。
192cmのセンターバックは、セットプレーでターゲットになるだけでなく、後方からパスを送り出す能力も備える。日本はゴール前で彼を警戒すると同時に、ビルドアップでも簡単に前方へ配球させたくない。前線からの守備と中盤の対応を連動させる必要がある。
個々の選手に加え、イ・ミンソン監督の交代策も見逃せない。今大会は後半開始から60分前後にかけて2列目を入れ替える傾向があり、準々決勝ではオム・ジソン、準決勝ではカン・サンユンをハーフタイムに投入した。
途中出場で流れを変える選手として、キム・ミョンジュンも警戒したい。大会序盤では先発の選手だったが、準々決勝では78分の投入から10分後にゴールを決めた。ペ・ジュンホと同じく前線で体を張れるタイプのため、疲弊した時間帯では注意したい。
準決勝で120分を戦った日本にとって、選手交代は攻撃の活性化と守備の強度を保つための重要な手段になる。ここまで出場時間を分散してきたとはいえ、各選手の疲労を見極めた判断が求められる。
韓国が交代で攻撃に変化を加えたとき、日本は誰を送り出し、どこを補うのか。中盤のこぼれ球を回収し、サイドからの配球を制限しながら、ゴール前の競り合いにも対応する。その働きを終盤まで続けられるかが、金メダルへの分岐点になる。
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