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9試合中6試合が午前3時45分…。日本人6人のリーグアン、なぜ日本から観にくいのか?

text by 編集部 photo by Getty Images
リールに所属する日本代表FW上田綺世
リールに所属する日本代表FW上田綺世【写真:Getty Images】



 日本人選手が2024/25シーズンに並ぶ過去最多タイの6人となった今季のリーグアン。しかし、再開する第6節は全9試合中6試合が日本時間の午前3時45分に始まる。5大リーグで最も遅い平均キックオフ時刻。その背景を、放映権と各国の開催時間の伝統から考える。

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平均キックオフは「26時20分」

 今季のリーグアンは、日本のファンにとって気になる存在だ。9・10月シリーズの日本代表では、リヨンの中村敬斗は2アシストを記録し、ル・アーヴルの瀬古歩夢は全4試合にわたって大車輪の活躍を見せた。リールの上田綺世も絶対的エースとして今シリーズ4得点1アシストと、その立場を揺るぎないものにしている。

 モナコの南野拓実も10月3日の練習試合で、約10カ月ぶりに実戦復帰した。今夏にリールへ移った上田を含め、日本人選手の総在籍数は6人となった。

 だが、リアルタイムで試合を観るのは簡単ではない。今週末の第6節では、中村のリヨンが日本時間10日(土)、南野のモナコが11日(日)の午前3時45分に試合を迎える。日付が変わる前に始まるのは、11日22時のニース対ストラスブールだけだ。

 現地時間10月9〜12日に行われる5大リーグの全試合を比べると、差は明確になる。日本時間の深夜を「24時以降」として平均すると、プレミアリーグのキックオフは23時27分、ブンデスリーガは23時37分、セリエAは24時26分、ラ・リーガは25時9分。リーグアンは26時20分で最も遅い。

 23時半までに始まる試合も、プレミアは10試合中7試合、ブンデスは9試合中6試合あるのに対し、リーグアンは9試合中1試合にとどまる。

 これは今週末だけの特殊な編成ではない。今季は現地時間の金曜と日曜に各1試合、土曜に4試合を20時45分から開催するのが基本だ。残る3試合は土曜17時15分、日曜15時と17時15分に組まれる。

 ただし、木曜にフランスの4クラブが欧州カップ戦を戦う場合、同時開催は原則として日曜17時15分へ移る。日本時間では翌0時15分。3時間半早まるものの、日付をまたぐ点は変わらない。

 この編成からは、国内の視聴者を重視する姿勢がうかがえる。今季からフランス国内では、リーグが運営する「Ligue 1+」が全試合を独占生中継。同時開催も日曜午後から土曜夜へ移された。国内の加入者に週末の夜を楽しんでもらう時間割と考えれば、理解しやすいかもしれない。



「伝統」が日本からの観戦体験を助けるプレミアとブンデス

 海外放映権の規模には、プレミアと大きな隔たりがある。2025年8月のAFP報道では、リーグアンは年間約1億3000万ユーロ(約231億円)。一方、プレミアの2022〜25年の海外放映権は3年間で53億ポンド、年平均約17億7000万ポンド(約3,714億円)と報じられた(出典:英紙『タイムズ』 )。対象期間や通貨は異なるが、市場規模の差は大きい。

 リーグアンにも、アジア市場を意識した試みはあった。仏サッカー専門サイト『Maxifoot』によると、2018年3月のニース対パリSGはアジア市場への訴求を狙い、日曜13時、中国時間20時に開催。中国で約160万人が視聴したという。ただ、今季の基本枠に15時より早い時間帯はない。

 プレミアとブンデスの観やすさには、伝統的な開催時間が関わっている。

 イングランドでは土曜15時が伝統の枠だ。夏時間の英国と日本の時差は8時間で、日本では23時となる。英国には下部リーグなどの観客動員を守るため、原則として土曜14時45分〜17時15分のテレビ生中継を制限する慣行もある。国内で中継されない15時の試合も海外では配信され、日本の夜に楽しめる。

 ブンデスも土曜15時30分、日本では夏時間なら22時30分の一斉開催が軸だ。ドイツサッカーリーガ(DFL) の当時のCEO、クリスティアン・ザイフェルト氏は2019年、スペインのように開始時刻を10種類に分散させることはしないとの考えを示している。

 一方、ラ・リーガのハビエル・テバス会長は、アジアやアメリカの視聴しやすい時間帯を狙う戦略を説明してきた(出典:2016年のラ・リーガ公式サイト)。セリエAにも日曜12時30分の枠がある。

 10月25日には英国やフランスなどが冬時間へ移り、日本との時差が1時間広がる。リーグアンの現地20時45分開始は、翌午前4時45分になる。日本人選手を追う楽しみが増える一方、ライブ試聴の壁は高い。

 ただ、アジアを意識して開始時間を早めた前例もある。関心の高まりが視聴者数や放映権収入の拡大につながれば、日本から観やすい時間帯の試合が増える可能性はある。日本人選手の活躍は、そのきっかけとなるだろうか。

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