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上田綺世とジルー、先発共演はまだなし。リール監督が明かした「2トップ」の現実とは?

text by 編集部 photo by Getty Images
上田綺世とオリヴィエ・ジルー
リールでプレーする上田綺世とオリヴィエ・ジルー【写真:Getty Images】



 リールのダビデ・アンチェロッティ監督は、日本代表FW上田綺世の加入当初から、元フランス代表FWオリヴィエ・ジルーとの共存に前向きな姿勢を見せてきた。しかし加入から約1か月半、2人が先発で並んだことは一度もない。UEFAチャンピオンズリーグ(CL)を含む強豪との連戦も予想されるなか、2トップの現在地と今後の起用法を探る。

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2トップはあくまで「終盤のオプション」

 9月の会見で指揮官は、上田綺世とオリヴィエ・ジルーを「異なる」「補完的な」タイプと評し、2人をそろって起用する可能性にも触れていた。

 実際、同時起用は一度実現している。現地時間9月20日のリーグ・アン第5節ニース戦だ。0-1で迎えた64分、バンジャマン・アンドレに代えてジルーを投入。同時にハコン・アルナル・ハラルドソンからマウリッツ・ケアゴーへ交代し、上田とジルーを前線に並べた。

 79分にはジルーを交えたパス交換からケアゴーがスルーパスを通し、抜け出した上田が1点差に迫るゴールを決めた。ただし得点の前の場面、ジルー投入からわずか3分後には追加点を許しており、試合は1-2で敗れている。この日の2トップは、ビハインドの終盤に打った攻めの一手だった。

 指揮官の考えは、10月8日の会見でより明確になった。9日の地元メディア『Le Petit Lillois』によれば、アンチェロッティ監督は2トップが練習済みの選択肢だと認めつつ、現時点では試合状況に応じて「最後の30分」に使う形だと説明している。

 3バックに変更して試合を終えるのと同じように、2トップも終盤に変化をつけるための選択肢として考えていることを明かした。

「共存」の可能性そのものが否定されたわけではない。ただ、少なくとも現時点では、先発の基本形というより途中から勝負をかけるためのオプションと捉える方が実態に近い。

 先発での共存には、布陣上のハードルもある。リールは9月の公式戦で【4-2-3-1】を基本形としてきたが、10月10日のル・アーヴル戦では【4-3-3】を採用した。布陣の選択肢はひとつではないものの、2人を先発で並べるには、ほかのポジションの配置も見直す必要がある。



続く「どちらか一方」の起用

 上田とジルーの特徴も異なる。上田について指揮官は9月、前線からのプレスで強度をもたらす点などを高く評価していた。一方、ジルーはボールを収め、周囲との連係を生み出すプレーを得意とする。

 こうした違いは同時起用の可能性を広げる一方、どちらを1トップに置くかという選択にもつながる。

 上田は9月3日のトゥールーズ戦で途中出場から決勝点を挙げてデビューを飾ると、その後3試合続けて先発した。代表活動では4試合4得点を記録し、キリンカップMVPにも輝いている。

 しかし、日本代表で4試合を戦って戻った直後の10月10日、リーグ・アン第6節ル・アーヴル戦ではジルーが先発し、上田は56分からそのジルーに代わって出場した。

 一時は上田が3試合連続で先発をつかんだものの、序列が固定されたとは言い切れない。アンチェロッティ監督も9月の会見にて、「時には一方が先発し、時にはもう一方」と説明していた(出典:『Le Petit Lillois』)。

 日本時間14日午前4時に行われるアーセナル戦では、『Le Petit Lillois』やフランスメディア『Eurosport.fr』などが上田の1トップ先発を予想している。
 
 ここで結果を残せば、今後の先発争いを考えるうえで大きな材料になるだろう。一方、試合を追う展開になれば、古巣アーセナルとの対戦となるジルーを投入し、上田との2トップに踏み切る可能性もある。

 現状は試合ごとに2人が1トップの座を争い、必要に応じて終盤に共存させる構図だ。スタメンでの「共演」が現実となるのか、はたまたオプションのままなのか、2人の活躍とともに注視していきたい。

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【了】

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