
5年ぶりに日本代表に復帰した坂元達裕【写真:Getty Images】
イングランド・プレミアリーグのコベントリー・シティに所属するMF坂元達裕が、11月に行われるブラジル代表戦、パラグアイ代表戦に臨む日本代表メンバーに選出された。2021年6月以来、約5年5か月ぶりの代表復帰を果たした30歳は、いかにして再び日の丸を背負うチャンスをつかんだのか。
開幕5試合で出場わずか31分…。ランパード監督の信頼を勝ち取るまで
コベントリー・シティに所属する坂元達裕が、約5年5か月ぶりに日本代表のメンバーに名を連ねた。
最後に代表でプレーしたのは、2021年6月15日のキルギス代表戦。当時はセレッソ大阪に所属していた坂元にとって、海外移籍後では初めての代表招集となる。
その坂元は現在、プレミアリーグで存在感を高めている。
3試合連続の先発出場となった10月31日の第9節サンダーランド戦では、前半17分にペナルティーエリア手前から左足を振り抜き、鮮やかな先制点を記録。自身にとってプレミアリーグ初ゴールとなるこの一撃が、残留争いの直接対決でチームを3-1の勝利に導く貴重な得点となった。
地元メディア『Coventry Observer』によると、試合後、フランク・ランパード監督は「彼は私の信頼を勝ち取った」と坂元を称賛。さらに、日々の練習やプロフェッショナルとしての姿勢の重要性を説き、坂元の取り組みを他の選手たちの手本として評価した。
もっとも、坂元にとって今季のスタートは決して順風満帆ではなかった。
昨季はイングランド2部チャンピオンシップで35試合に出場し、7得点3アシストを記録。ランパード監督の下で右サイドの主力として活躍し、コベントリーの26シーズンぶりとなるプレミアリーグ昇格に大きく貢献した。
ところが、昇格を果たした今季は状況が一変。新加入のルーム・チャウナらとのポジション争いに加え、坂元の居場所がないウイングバックを採用したシステムへの変更もあり、開幕5試合の出場時間はわずか31分にとどまった。
それでも、坂元は腐ることなくチャンスを待ち続けた。10月12日の第6節ニューカッスル戦で途中出場から得点に絡むプレーを見せると、翌週のトッテナム戦で今季初先発。その後も先発の座を守り、サンダーランド戦でのプレミア初ゴールにつなげた。
「練習で自分にできることを示し続ければ、必ずチャンスが来ると思っていた。だから、その時を待っていた」
サンダーランド戦後、坂元は地元紙『CoventryLive』に対し、そう振り返った。
坂元はこれまでにも、数々の逆境を乗り越えてきた。
初めての海外挑戦となったベルギーのKVオーステンデでは、監督交代が相次ぎ、チームも2部に降格。それでも、苦境にあるチームで個人としての評価を高め、コベントリーへの移籍を勝ち取った。
そのコベントリーでも、2024年2月に腰椎の横突起を骨折する大ケガに見舞われ、長期離脱を余儀なくされた。しかし、懸命なリハビリを経て再びピッチに戻ると、翌シーズンには主力として活躍し、クラブをプレミアリーグ復帰へと導いた。
そして今季、30歳にして初めてプレミアリーグの舞台に立った坂元は、開幕当初の苦境を乗り越えて先発の座を取り戻し、ついには約5年5か月ぶりとなる日本代表復帰を果たした。
森保一監督は4日のメンバー発表会見で、坂元について「まだ次のW杯にも十分、今のコンディションを維持し、さらに経験値を上げていけば日本の戦力になる」と評価した。
幾度もの挫折を乗り越え、30歳にして世界最高峰の舞台で新たな挑戦を続ける坂元。今後のプレミアリーグでの活躍はもちろん、日本代表への定着を目指すうえでも、今回の代表シリーズは、彼のキャリアにとって重要な勝負所となるだろう。
アジアカップの延期によって日本代表の強化計画にも変更が生じるなか、再び日の丸を背負う苦労人が、持ち味の大胆な仕掛けとチャンスメイクで、代表にサプライズをもたらしてくれることを期待したい。
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