
サンフレッチェ広島 鈴木章斗【写真:Getty Images】
J1リーグで13試合10得点4アシスト。それでも、サンフレッチェ広島の鈴木章斗は11月シリーズの日本代表メンバーに選ばれなかった。一方、初招集されたのはドイツ2部でプレーする福田師王だ。国内で圧倒的な結果を残すだけでは足りないのか。鈴木の代表入りに向けた課題を考える。
「5大リーグを目指してほしい」。福田師王の初招集で語った評価基準
「やはり5大リーグであったり、主要リーグでも本当にトップのところにできるだけ選手たちには目指してほしい」
4日の日本代表メンバー発表会見で、森保一監督はこう語った。きっかけは、ドイツ2部カールスルーエでプレーする福田師王の初招集についての質問だった。
福田はボルシアMGで出場機会に恵まれなかった時期を経て、昨季はカールスルーエに期限付き移籍。今季から完全移籍となり、ここまでドイツ2部で8試合3得点2アシストを記録している。
森保監督は、福田が試合を重ねるごとに成長し、高いインテンシティーの中でも技術を発揮できるようになったことを評価。10月27日のDFBポカール2回戦で古巣ボルシアMGと対戦した際のプレーにも触れ、ドイツ1部でも通用する可能性を示したと説明した。
ただし、5大リーグ所属を代表選出の絶対条件としたわけではない。福田自身も現在は2部所属だ。所属クラブの格だけでなく、実際に何を示し、どれほど成長できるかが重要なのだろう。
その発言を踏まえると、気になるのが鈴木章斗の選外だ。
サンフレッチェ広島の23歳は2026/27シーズン、J1で13試合10得点4アシスト。得点ランキング2位につけ、枠内シュート23本、チャンスクリエイト21回も記録している。
2024年は湘南ベルマーレで34試合10得点、2025年も37試合9得点。今季の活躍は突然生まれたものではなく、国内トップカテゴリーで積み重ねてきた実績の延長線上にある。
海外移籍だけが答えなのか? 日本代表入りへの残された道
今回の日本代表には、負傷した上田綺世が招集されなかった。前線の新たな選択肢を試す機会でもあり、鈴木の初招集を期待する声が上がるのも自然だろう。
しかし、選ばれたのは福田だった。
もっとも、両者の得点数を並べるだけで優劣はつけられない。J1とドイツ2部では対戦相手や試合環境が異なり、代表では得点力に加え、守備強度、ボールを収める力、味方との連動、戦術的な役割への適応も問われる。
森保監督が福田について強調したのも、得点数だけでは測れない成長だった。
ただし、それらはあくまで福田の招集理由であり、鈴木に同じ能力が不足していると判断されたわけではない。鈴木の選外理由について具体的な説明はなく、そもそも両者が二者択一で比較されたのかも不明だ。
では、鈴木にとって海外移籍は必要なのだろうか。
今回の日本代表には、FC町田ゼルビアの小川航基と相馬勇紀も選ばれている。しかし、小川はオランダ1部のNECナイメヘン、相馬はポルトガル1部のカーザ・ピアでプレーした経験がある。現在はJリーグに所属していても、欧州の舞台で実績を積んできた選手たちだ。
もちろん、海外経験が代表選出の絶対条件というわけではない。だが、今回の森保監督の発言を踏まえると、より高い競争環境で力を示すことが、代表入りに向けた重要なアピールとなる可能性はある。
福田もまた、海外に渡っただけで評価されたわけではない。出場機会に苦しみながらも、ドイツ2部で成長を示したことが今回の初招集につながった。
鈴木の得点力は、J1での数字が十分に証明している。それでも代表に届かなかった現実を考えれば、異なる環境で自らの価値を示すことは、今後の選択肢として無視できないだろう。
国内でこれだけ結果を残しても選ばれない今、鈴木にとって欧州挑戦の意味は、これまで以上に大きくなっているのではないか。
【関連記事】
サッカー日本代表の最新メンバーが発表! 福田師王が初招集。南野拓実や町田浩樹、坂元達裕が復帰
日本代表、11月シリーズのキックオフ時間や放送予定は?
サッカー日本代表、11月シリーズでメンバーから外れた選手一覧
【了】
