
エミリアーノ・マルティネス【写真:Getty Images】
チェルシーが、アストン・ヴィラ所属のアルゼンチン代表GKエミリアーノ・マルティネスの獲得でクラブ間合意に達したようだ。米スポーツメディア『ジ・アスレチック』が28日に報じた。移籍金は750万ポンド(約16億円)で、契約は2年間に1年の延長オプションが付く見込みだ。実現すれば、即戦力に加え、シャビ・アロンソ監督が求める経験と勝者のメンタリティも得られる。
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マルティネスがチェルシーに加入する影響とは
同メディアによると、代理人がチェルシーへマルティネスの獲得を提案した。アストン・ヴィラは19日、パルマから日本代表GK鈴木彩艶を完全移籍で獲得。序列が落ちたマルティネスは放出候補となるもののユベントスへの移籍が破談。その後、単独で練習を続けており、鈴木を新たな1番手に据えるヴィラと、GK補強を求めるチェルシーの事情が重なった。
英紙『ガーディアン』によると、スペイン代表GKロベルト・サンチェスのプレミアリーグ第1節フラム戦での不振を受け、アロンソはGK獲得を優先事項に定めたと報じた。サンチェスはニアサイドを抜かれて1点目を許すと、後半にははじいたボールを押し込まれた。
ただし、1試合だけでサンチェスに見切りをつけたわけではない。以前より、ショートパスを繋ぐ際のミスが多い点は課題として指摘されてきた。昨季までは繋ぎすぎず、割り切ってロングボールを蹴る頻度を増やすことで、この問題点を解消してきたが、シャビ・アロンソとしては、GKを含めたパスワークを完成させたいのだろう。
一方、マルティネスはウナイ・エメリ監督の下で、相手を引きつけながら自陣から組み立ててきた実績もある。相手のハイプレスを受けても、動じずにパスを繋ぐことができるので、チェルシーのスペイン人監督の戦術にも合う。
アルゼンチン代表GKの加入の意味は戦術面だけではない。『ジ・アスレチック』によるとアロンソは当初から”メンタルモンスター”の獲得を要望しており、それに応じて若手主体の獲得方針をチェルシーは今夏から変更した。実際、これまでも、元イングランド代表FWダニー・ウェルベックと同代表MFジョーダン・ヘンダーソンを加え、若いチームに経験を注入してきた。
27日のルートン・タウン戦後にも「質、成熟度、個性のすべてを備えた、完成度の高いチームにしたい」と語っている。『ジ・アスレチック』は、世界王者の経験と強烈な個性を持つマルティネスについて、33歳という年齢ならペンダースの長期的な成長も妨げにくく、「すべての当事者にとって理にかなう移籍だ」と論じた。
加入すれば、マルティネスが新たな1番手になる公算は大きい。『ガーディアン』は、サンチェスが控えへの降格を受け入れない可能性があり、移籍期限までに放出が必要になると報じた。ただ、現時点で明確な移籍先はないようだ。また、昨季ストラスブールへの期限付き移籍で評価を高めた21歳のペンダースにも、再び期限付き移籍の可能性があるという。
今回の補強そのものは合理的だ。ただし余計な火種を産まないためにも、序列が落ちてしまったGKとのコミュニケーションおよび、退団を希望した時の迅速な取引の進行は頑張って欲しいものだ。
(文・内藤秀明)
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