守田英正【写真:Getty Images】
今夏も移籍市場最終日は激動の1日となった。それは元日本代表MF守田英正が所属するハル・シティにとっても同様だ。タイガースの愛称で知られるクラブは、締切日となる9月1日に6人の新戦力を獲得。今夏の新戦力はとうとう18人に達した。
潰し屋の加入と守田の使い道
英公共放送『BBC』によると、ハルはエバートンのティム・イロエグブナムを総額2200万ポンド(約48億円)と報じられた移籍金で獲得した。最終日にはイロエグブナムのほか、クリストス・ムザキティス、ソルバ・トーマス、ロビニオ・ヴァズ、ブルック・ノートン=カフィー、イリヤス・アンサーが加入している。
この最終日の6人のうち、守田と同じく中盤の中央を主戦場とするのはイロエグブナムとムザキティスで、彼らは既存戦力のリーガン・スレイターらとレギュラー争いをすることになる。さらに、中盤には今夏加入したルーカス・グルナ=ドゥアトもいる。では守田のライバルたちはどんな選手なのだろうか。
スレイターは、ハードワークが魅力のボックス・トゥ・ボックス型だ。昨季は公式戦48試合に出場し、選手選出とサポーター選出のクラブ年間最優秀選手賞を受賞した。
セルゲイ・ヤキロビッチ監督は英地方メディア『ハル・ライブ』で、練習や試合への姿勢、シーズンを通した稼働率を評価して「私にとってMVPはスレイターだ」と明言。さらに、相手からボールを奪い「守備側と攻撃側の選手の間で均衡を保っている」と重要性を説明した。
今季も開幕2試合に先発し、マンチェスター・ユナイテッド戦ではFKでボールをゴール前へ送り、ノーベル・メンディの得点をアシストしている。
一方、イロエグブナムの武器はボール奪取にある。運動能力が高く、競り合いに強い23歳のイングランド人MFは、「前へ出て、ボールを運ぶのが好きだ。同時に、タックルしてボールを奪い、懸命に走るのも好きだ」と自身で語っている。『BBC』によると、ヤキロビッチ監督はこの潰し屋タイプを熱望していたという。
守田は、そんな二人の良き相方になれる。コベントリー戦でプレミアリーグ初先発を果たし、『ハル・ライブ』は「ボールを持って落ち着いており、試合の速さにも戸惑わなかった」と評して7点を付けた。この試合では前半45分で交代し、後半開始からグルナ=ドゥアトがピッチに入っている。
確かに身振り手振りで周りに指示を出しながらゲームメイクして、戦力で劣る昇格組のクラブに、中盤でタメをもたらしていた。流石、ビルドアップに強いこだわりを持つルベン・アモリムに「組み立てで最も影響力がある」と言わせたことがある選手だ。
中盤のスタメンがスレイターでも、イロエグブナムでも、彼らを上手くコントロールする相方として居場所がある。19歳の若手ムザキティスはやや守田に近いタイプだが、将来的な伸び代はともかく、現状は31歳の日本人MFの方が計算できる。ギリシャからきた10代でプレミアリーグで即フィットした例はほとんどない。
例えば、今夏アーセナルに加入して、開幕戦からスタメンに選ばれているギリシャ代表クリストス・ツォリスも、19歳でノリッジに加入した際には大きなインパクトを残せず退団している。ギリシャからのプレミアは環境変化として大きすぎる。
夏の終わりの爆買いで日本代表MFにとってライバルが増えたことは間違いない。ただしそれは悪いことばかりではない。世界で最もレベルが高いとされているリーグ戦で、生き残るための仲間のバリエーションが増えたとも言えるからだ。
(文:内藤秀明)
【関連記事】
【一覧表】日本人選手 海外移籍情報2026/27
プレミアリーグ移籍情報|全20クラブ加入・退団【2026/27シーズン】
プレミアリーグ2026/27|試合日程・結果・順位表・得点ランキング・日本人選手・移籍情報
【了】
