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マンチェスター・ユナイテッドはなぜ勝ち切れない? 3戦連続2失点、88分の勝ち越しも守れず…。キャリックに問われる“試合を締める力”

text by 内藤秀明 photo by Getty Images

マンチェスター・ユナイテッドを率いるマイケル・キャリック監督
マンチェスター・ユナイテッドを率いるマイケル・キャリック監督【写真●GettyImages】


 マンチェスター・ユナイテッドが、試合を掌握しきれずにいる。6日に行われたプレミアリーグ第3節のエヴァートン戦は2-2の引き分け。88分に勝ち越しながら、後半アディショナルタイムに追いつかれた。開幕から3試合連続で2失点を喫し、勝ち点は「4」。英紙『タイムズ』も、上位を目指すためにはゲームコントロールの改善が必要だと指摘している。

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3試合連続2失点。マンUはなぜ試合を締められない?

 ユナイテッドに足りないのは、試合を自分たちのものにする力なのかもしれない。

 英紙『タイムズ』のポール・ハースト記者は、エヴァートン戦後、ユナイテッドのゲームマネジメントに課題があると指摘した。

 開幕戦では昇格組のハル・シティに0-2で敗戦。続くイプスウィッチ・タウン戦には5-2で勝利したものの、エヴァートン戦でも2失点を喫した。これで開幕から3試合連続2失点。1勝1分1敗の勝ち点4にとどまっている。

 問題は単純な失点数だけではない。

 一つは、相手の出方に流されず、自分たちから試合の強度を上げることができていない点だ。

 主将のポルトガル代表MFブルーノ・フェルナンデスはハル戦後、英放送局『TNTスポーツ』に対して「相手にボールを持たせすぎている」と振り返り、より積極的にプレスをかける必要性を訴えていた。

 それでもエヴァートン戦では、先制後に試合を完全に支配することはできなかった。ボールを保持して相手の勢いを削ぐわけでも、追加点を奪うために圧力を強めるわけでもない。結果的にエヴァートンを試合へ戻してしまった。

 もう一つは、リードした状況から試合を締める判断だ。

 イプスウィッチ戦では5-1と大量リードした後のアディショナルタイムに失点。アルゼンチン代表DFリサンドロ・マルティネスが自陣でボールを失ったところから、最後はFWチュバ・アクポムにゴールを許した。

 エヴァートン戦では、さらに深刻だった。

 83分に同点とされた後、88分にFWベンヤミン・シェシュコのヘディングで勝ち越した。それでも、後半アディショナルタイムにDFエインズリー・メイトランド=ナイルズに同点ゴールを許した。

 しかも、ほぼ最後のプレーだった。

 勝ち越した後にボールを安全なエリアへ運ぶ、プレーを切る、相手陣内で時間を使う。そうした試合を終わらせるための工夫は十分ではなかった。


「個々の判断」だけで片づけられる問題なのか

 最後の失点では、交代選手を含めた守備組織にも綻びが出ている。

 英放送局『スカイ・スポーツ』で解説を務めたクラブOBの元イングランド代表DFギャリー・ネヴィル氏は、途中出場したDFパトリック・ドルグが前方へ飛び出した場面について「孤立したプレス」と表現し、周囲との意思疎通が欠けていたと指摘した。

 さらに、右サイドバックに入ったDFレニー・ヨロが中央へ絞りすぎていたことにも言及。終盤のユナイテッドが組織的に守れていなかったと批判している。

 もちろん、個々の選手の判断ミスという側面はある。

 ただ、同様の問題が開幕から繰り返されている以上、それだけで片づけることも難しい。

 状況に応じてどこからプレスをかけるのか。リードした終盤にボールをどう扱うのか。いつ試合のテンポを落とし、いつ追加点を狙うのか。こうした原則をチームに落とし込むことも監督の仕事になる。

 3試合連続2失点という数字は、キャリックにとって無視できない。

 さらに気になるのが、チーム全体の強度だ。

 データサイト『FotMob』の数字を引用した海外報道によると、ユナイテッドは開幕3試合すべてで、総走行距離とスプリント回数が対戦相手を下回ったという。

 キャリックの穏やかなマネジメントは昨季、大きな効果を生んだ。

 1月にルベン・アモリム監督の後を受けて就任するとチームを立て直し、最終的にはリーグ3位へ導いた。しかし、英メディア『インディペンデント』のリチャード・ジョリー記者はハル戦後、その穏やかなアプローチが長期的にもチームを奮い立たせ続けられるのかと問題提起している。

 開幕3試合だけでキャリック体制の成否を判断するのは早い。

 それでも、ハル、イプスウィッチ、エヴァートンと相手が変わっても、失点とゲームコントロールの問題が続いていることは見過ごせない。

 個々の判断ミスなのか。それとも、試合状況に応じた戦い方がチームに十分浸透していないのか。

 次節の相手はマンチェスター・シティ。キャリックには結果だけでなく、90分を通して試合をコントロールするチームを示すことが求められる。

(文・内藤秀明)

【了】

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