
名古屋グランパスでプレーするピサノ・アレックス幸冬堀尾【写真:Getty Images】
ミハイロ・ペトロヴィッチ監督率いる名古屋グランパスは、GKも組み立てに加わるビルアップに重きを置く。最後方を担う20歳のGKピサノ・アレックス幸冬堀尾はパス本数でJ1トップクラスを誇る一方、失点に絡むミスに関与している。若き守護神は重圧を乗り越え、成長できるか。
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圧倒的なパス本数
2026/27シーズンの明治安田J1リーグで苦しい時期にある名古屋グランパス。今季から指揮を執るミハイロ・ペトロヴィッチ監督、愛称”ミシャ”が掲げるのは、サンフレッチェ広島や浦和レッズでも貫いてきた、GKも含めた最終ラインからの丁寧なビルドアップを軸にした攻撃的なサッカーだ。
今季の名古屋も3バックを基軸に、GKはただゴールを守るだけの存在ではなく、いわばフィールドプレーヤーのひとりとしてパス回しに加わることを求められる。
相手のプレッシングを技術でいなして数的優位を作り出し、そこを起点に攻撃を組み立てていく――狙い通りにハマれば強力な武器になる一方で、GKに求められる技術と判断力、そして度胸のハードルは極めて高い。ひとつのミスが即失点、あるいは致命的なピンチに直結するリスクと常に隣り合わせなのだ。
その難題に最後方から立ち向かっているのが、20歳のGKピサノ・アレックス幸冬堀尾である。
スタッツを見ても明らかだ。データサイト『Sofascore』によれば、飛び出し成功数は西川幸之介に次ぐJ1で2位。Jリーグの公式記録では、リーグ第6節終了時点のパス総数において324本に達している。2位の西川は237本、3位の早川友基が186本であることを踏まえると、ピサノのボールに触れる回数は圧倒的だ。
この20歳の守護神はこれまで世代別日本代表として活躍し、2025年7月のEAFF E-1サッカー選手権ではA代表デビューを果たし、将来を嘱望される逸材である。足元の技術と冷静な判断力を武器に若くして正GKの座をつかんだこと自体、クラブが彼の技術と将来性にどれほど大きな期待を寄せているかの表れと言っていい。
開幕節からパスミスで失点
しかし現状、フィールドプレーヤー並みの関与が、必ずしも結果には結びついていない。開幕節・清水エスパルス戦では丁寧につなごうとしたパスが相手に引っかかり、そのまま失点に直結する場面があった。
9月6日のJ1第6節・町田ゼルビア戦も似た状況から先制を許している。1-3で敗北した同試合において、前半アディショナルタイムに名古屋のビルドアップを相手に奪われて1失点目を喫した。
この失点はピサノだけの責任ではないが、後方の組み立てからピンチを招くシーンは開幕節からここまで散見されている。
技術と度胸、そして経験までも問われる重い役割を背負う20歳は、この難局を乗り越えて”ミシャサッカー”の新たな申し子となれるのか。以降のチーム全体の戦い方も含め、注目が集まる。
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【了】
