
トッテナムに加入したミハイロ・ムドリク【写真:Getty Images】
米スポーツ専門メディア『ジ・アスレティック』のティム・スピアーズ記者が、今夏のプレミアリーグの移籍155件を全て順位付けした。トッテナム所属のウクライナ代表FWミハイロ・ムドリクには、「記者引退」まで持ち出す辛口の評が並んだ。
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辛辣すぎる言葉の数々
チェルシーから期限付き移籍したムドリクは153位。スピアーズ記者は、実戦から長く遠ざかっている点を別の職業に置き換えた。
「もしあなたが溶接工で、2024年11月以来、仕事で一度も溶接をしていなかったら、国内屈指の裕福で野心的な溶接会社が自分を雇ってくれると期待するだろうか?」
さらに「もしスパーズが7500万ポンド(約157億円)の買い取りオプションを行使したら、私はジャーナリストを辞めて溶接工になる」とまで言い切った。
本稿は昨夏に続く恒例企画で、皮肉や冗談を交えた記者個人の評価だ。物差しは能力だけではなく、費用対効果、加入先での重要度、手薄なポジションを埋められるかどうか。高額な移籍ほど、支出に見合う価値が厳しく問われる。
印象的な順位と評価をいくつか紹介すると、トッテナム所属のイタリア代表MFサンドロ・トナーリは95位だった。短評では「狂気の定義とは何か?数年後には、辞書のその言葉の横にトナーリの顔写真が載っているのだろうか?」と強烈な一撃を浴びせている。
チェルシーから期限付き移籍したアストン・ヴィラ所属のアルゼンチン代表FWアレハンドロ・ガルナチョには149位をつけて、アストンヴィラに毒付いていた。
「マンチェスター・ユナイテッドやチェルシーでうまくいかなかったウインガーを期限付きで獲得する、今やヴィラの恒例行事には『一体何なんだ』と叫びたくなる」と指摘している。
ジェイドン・サンチョやマーカス・ラッシュフォードなどの選手を獲得してきた方針を不審に思っているようだ。
151位のノッティンガム・フォレスト所属FWリアム・デラップには、「誰か筋の通る説明をしてくれ。彼はシニアキャリアの通算ゴール数(27)よりイエローカード(33)の方が多いストライカーだ」と切り込んだ。チェルシーで振るわなかった後に、最大5000万ポンド(約104億円)の移籍が成立した点に疑問を呈している。
日本人では、アストン・ヴィラ所属の日本代表GK鈴木彩艶が39位で最上位。その後、イプスウィッチ所属FW前田大然が46位、ハル・シティ所属MF守田英正が48位、クリスタル・パレス所属DF冨安健洋が136位と続いた。
鈴木については配球とシュートストップを高く評価し、高いボールへの対応にはやや不安があると指摘。チェルシー所属のアルゼンチン代表GKエミリアーノ・マルティネスの後継者になれるかと問いかけたかと思えば、「相手を苛立たせる駆け引きの腕前が未知数すぎて、断言できない」と評している。
そしてそのマルティネスこそが、このランキングの1位に輝いている。
「マルティネスの移籍先として、チェルシーほどふさわしいクラブはないと言わざるを得ない。厚かましく、自信過剰で、大げさで、本当に腹立たしい。だが、公平に言えば、今も本当に優れたGKだ」
最高評価の移籍にさえ悪態を添えるところまで含めて、スピアーズ記者流のランキングなのだろう。この人には炎上を恐れて筆圧を弱めたくなる気持ちがないのだろうか。
しかもこの記事が、ここ数年、英国の有名番記者を多数引き抜き、権威性の高いメディアとなったジ・アスレチックから公開されているというのもまた興味深い。
(文・内藤秀明)
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