
PSVでプレーする佐野航大【写真:Getty Images】
UEFAチャンピオンズリーグ(CL)初陣を1-1で終えたPSVアイントホーフェンの佐野航大がさっそく評価されている。現地から早くも「掘り出し物」との声が上がり、新生・日本代表招集への期待も大きい。しかし、CLでは苦しむ姿が見られたのも事実。ボランチの相方が兄・海舟であったなら、パフォーマンスレベルはさらに上がっていたかもしれない(スタッツやデータは『FotMob』より)。
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佐野航大がCL初陣で躍動
PSVアイントホーフェンの佐野航大が9月10日(現地時間)、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)のシャフタール・ドネツク戦でついに欧州最高峰の舞台に立った。
結果は1-1のドロー。しかし佐野個人のパフォーマンスへの評価は総じて高く、オランダメディア『VoetbalPrimeur』がチーム単独最高得点の「7」を付けるなど、現地の反応はポジティブなものが目立つ。
今夏にNECナイメヘンから加入した際の移籍金は1450万ユーロ(約26.1億円)と言われているが、著名ジャーナリストのピーター・ズワルト氏は「掘り出し物」と評価している。さらには同国の英雄ルート・フリット氏もスポーツチャンネル『Ziggo Sport』を通じて、シャフタール戦の佐野に対し「非常に優れていた」と絶賛した。
一方で、今季ここまでの数字を昨シーズン(NEC時代)と比較すると、単純な右肩上がりではないことも見えてくる。
リーグ戦における90分あたりのデュエル勝率は49.9%から42.4%へ、空中戦勝率は51.4%から33.3%へと明確に低下。タックル数も2.09回から1.21回に減り、守備貢献の1試合平均値も6.44から3.03へと半減した。
中位クラブから目下リーグ3連覇中のチャンピオンチームに移籍したことで、守備の時間よりも押し込むシーンが増えたことに起因するものだ。PSVにおける佐野の基本ポジションはここまでアンカーだが、中盤の底からチーム内4位にあたるチャンスメイク数を記録している。
その上、今季それぞれの試合でインサイドハーフにスタメン起用されているノア・フェルナンデスやフース・ティル、パウル・ヴァナーらも揃って攻撃に強みのある選手だ。
リーグが開幕してからここまで、国内では例外なく相手チームを上回っていた。第4節ユトレヒト戦に至っては、シュート本数において30対1という圧倒的な差があったのだ。
ボランチの理想の相方は兄・海舟。その理由は?
しかし今回のシャフタール戦は違った。初めてゴール期待値で劣勢に立ち、明確なピンチをいくつも作られた。支配率ではわずかに上回ったが、前線からの激しいプレスに苦しみ、佐野も自陣側で2回ほどボールを失った。
同選手に対し、チームを率いるペーター・ボス監督は試合後に「前半は緊張が見えた。普段は落ち着いてボールを持ち、正しい選択肢を事前に見つけられる選手だが、プレッシャーが影響したのだろう」(出典:オランダメディア『FCUpdate』)と指摘。相手のプレスを受けた際、本来なら前を向けるところで、無難にボールを下げてしまうシーンがあったと言及した。
確かに自身初の大舞台ゆえの精神的なプレッシャーはあったのだろうが、それ以上に相手の圧力に苦しんだのかもしれない。CLクラスの相手には、今後も苦しい立場に置かれる可能性はあるだろう。
その点で完璧な補完関係を築けそうなのが、マインツでプレーする兄・佐野海舟だ。
2025/26シーズンはブンデスリーガ2季連続となる全試合先発起用を達成したが、デュエル勝率62.7%、空中戦勝率61.2%という際立った数字を残している。正真正銘の”潰し屋”タイプは、ヒートマップを参照しても自陣寄りのエリアを赤く染める。
その一方で、弟・航大はボックス・トゥ・ボックスのMFとして幅広い範囲に顔を出している。ダブルボランチを組んだとしても、後ろで構えて虎視眈々とボール奪取を狙う兄と、様々な場所でプレーに関与する弟という構図は現段階で容易に想像できそうだ。
新天地で早くも躍動する22歳。代表招集は指揮官の判断に委ねられているが、チーム内で盤石な存在感を放つ兄の相方役として、血を分け合ったダイナモが候補に名乗りを上げようとしている。
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