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方針転換も中盤に残った誤算…。チェルシー、シャビ・アロンソの“マネージャー”就任が示す変化とは【プレミアリーグ識者が考える補強診断】

チェルシー
チェルシー、補強診断【写真:Getty Images】



 昨季プレミアリーグを失意の10位で終えたチェルシーは、今夏にシャビ・アロンソを新監督として招聘した。大規模な改革を行い、獲得と放出の双方でクラブ史上最高額を更新。毎夏の移籍市場で主役となるチェルシーの補強にはどのような意図があり、チームの課題を解決するものだったのだろうか。「獲得」「放出」「計画性」「バランス」「コスパ」の5項目を各20点、計100点満点で採点する。(文:安洋一郎)[1/2ページ]


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大きく補強方針を変えたチェルシー

ジョーダン・ヘンダーソンとダニ・ウェルベック
ダニ・ウェルベックとジョーダン・ヘンダーソン【写真:Getty Images】


 今夏のチェルシーは、シャビ・アロンソ新監督就任の影響が色濃く出た移籍市場を過ごした。レバークーゼンでブンデスリーガ無敗優勝を達成したスペイン人指揮官は、「マネージャー」という肩書でチェルシーの監督に就任した。

 グレアム・ポッターやエンツォ・マレスカら前任者は「ヘッドコーチ」であり、その権限の幅が大きく異なる。2023年1月以降のチェルシーはリクルートで大きな改革を行い、若手主体のチームを作っていた。

 その影響もあり、2023/24シーズンから3季連続でスタメンの平均年齢は24歳代と、プレミアリーグで最も若いチームだった。これはピッチ内外で様々なポジティブな兆候を生んだ一方で、「経験不足」が露呈する試合も少なくなかった。

 昨季はリーグ戦だけで8度の退場者が出るなど、メンタル面での未熟さがプレーにも表れている。数字では推し量れない「経験」をチームに注入する意味もあり、新監督体制ではベテラン選手も積極的に補強した。

 MFジョーダン・ヘンダーソンやFWダニ・ウェルベックに加え、開幕後にはGKエミリアーノ・マルティネスと、計3人の30歳以上の選手を獲得。ラージョ・バジェカーノから加入したペップ・チャバリアも28歳と、これまでの補強方針からの転換が見られる。

 アストン・ヴィラから加入したアルゼンチン代表GKは、近年のチェルシーのゴールマウスにはなかった安定感をもたらすだろう。前守護神のロベルト・サンチェスも総合力の高いGKではあったが、パフォーマンスの波が激しく、シーズンを通しての安定感には欠けていた。

 加入直後はチームとして仕込み切れていないが、長短のパスで組み立てにも参加できる選手であり、攻守両面で即効性の高い補強になるだろう。

 ベテラン勢を補強した一方で、クラブ史上最高額となる1億1700万ポンド(約234億円)で獲得したMFモーガン・ロジャーズを筆頭に、DFマルコ・パレストラやMFバレンティン・バルコのような20代前半の有望株も獲得。将来性を見据えた大型補強も並行して行っている。

3バックの適応度の高さと懸念点

シャビ・アロンソ監督
シャビ・アロンソ監督【写真:Getty Images】


 シャビ・アロンソはレバークーゼン時代に重宝していた[3-4-2-1]と[4-2-3-1]を併用して戦っている。現状では3バックのシステムが選手の適性から見てもハマっており、今後も継続して使われることになるだろう。

 3バックに欠かせない存在となっているのが、クリスタル・パレスから獲得したフランス代表DFマクサンス・ラクロワだ。

 4バックでは釣り出されやすいという課題が出るが、3バックの場合は両サイドにもカバーできる選手がいるため弱点が出にくい。むしろスピードを活かしたカバーという意味では長所が出やすく、加入直後から広い守備範囲と球際の強さで多くのピンチを救っている。

 左のシャドーでの起用が多いロジャーズも、本来は中央での適性が高い選手で、ライン間でこそ本領を発揮できる。逆に4バックでサイド起用となると、中央に絞らせるタスクを与えない限りはスピード不足や自陣での守備という課題が出やすく、弱点を隠す意味でも3バックは理にかなっている。

 センターラインを中心に的確な補強を行うことができたのは間違いない。しかし、課題が残るとすれば、移籍市場の最終日にマンチェスター・シティへ移籍したMFエンソ・フェルナンデスの後釜を確保できなかった点だ。

 移籍市場の序盤にはサンダーランドのMFグラニト・ジャカに興味を示したが、取引は成立しなかった。終盤にはモナコのMFラミン・カマラやローマのMFマヌ・コネの名前がリストアップされていたようだが、デッドラインデーまでに移籍は成立しなかった。

 本来は中盤の軸として期待したいMFモイセス・カイセドだが、けががちな点が目立つ。DFリース・ジェームズやMFロメオ・ラヴィアも通年稼働は期待できず、稼働率と中盤からの配球という意味では、もう1人の即戦力を加えたかったというのが本音だろう。

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