
マンチェスター・ユナイテッドを率いるマイケル・キャリック監督【写真:GettyImages】
マンチェスター・ユナイテッドは9月13日、プレミアリーグ第4節で10人のマンチェスター・シティにホームで0-1で敗れた。60分以上も1人多い状況で戦いながら、ゴールを奪えなかった。マイケル・キャリック監督に再建を任せて本当にいいのか。考え直したくなる一戦だった。
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キャリックが現状残している成果
確かに、キャリックの仕事には認めるべき点もある。マンチェスター・ユナイテッド所属のイングランド代表MFコビー・メイヌーを再び主力に据えたのは成果と言える。特に今季に関して、ボールを引き出す動きや展開力、守備で体を張る姿勢に表れた成長は、キャリックの仕事として評価できる。
クロスへの基本的な対応も改善し、アモリム体制で目立った、人数が足りているのにお見合いや受け渡しの不備で失点する場面は減った。基本を徹底する練習は実を結んでいる。
また会見での落ち着きも長所だ。公の場でクラブへの不満をぶちまけ、直後に解任されたルベン・アモリム前監督のように、感情的な発言で自らを危うくする心配は少ない。ビッグクラブの監督としての安定感はある。
ただし英メディア『インディペンデント』のミゲル・デラニー記者は、ダービー前の11日に公開した論評で、キャリックについて「その安定感は、いとも簡単に停滞へと変わりかねない」と指摘していた。
ダービーでは、その懸念通りの停滞した試合になってしまった。
得点までの設計が見えない攻撃
具体的には攻撃面が大きく停滞した。前半23分にフィル・フォーデンが退場して、早い時間にユナイテッドは数的有利になったにも関わらず、ほとんどチャンスを作れなかった。
多くの時間をスローテンポなパスワークに終始していたのだ。キャリックは、選手同士が近い距離感を保って、テンポ良く回すパスワークを好む。それ自体の練度は日々上がっているが、それだけだ。高い位置まで運んだ後にどう崩し、誰がどう点を取るのかがはっきりしない。練習がパスワークに偏り、得点を決めるまでの設計が足りていないように見える。
具体的には、ボールを持たない選手の運動量が少ない。ウイングが2人がかりで対応されても、SBや中盤の選手が追い越して攻撃をスピードアップ出来ていない。結局はイングランド代表FWマーカス・ラッシュフォードの個人突破に託す結果になっている。
サイドでの攻撃を個人に委ねるにしても、ファーサイドへのクロスには複数人が飛び込むなど、得点のための最低限のルールは必要だ。ボールを奪われれば、マンチェスター・シティ所属のノルウェー代表FWアーリング・ハーランドのカウンターが待っている。約束事もないまま選手任せにしても、前には出づらい。
また今季はゲームコントロールできず、相手の思惑に流される傾向が強い。ダービーでも、10人になったシティが守備を固めてテンポを落とすと、ユナイテッドまで淡々とボールを回し、後半になってもスピードアップできなかった。データ分析サイト『オプタ・アナリスト』によると、退場者が出て以降の枠内シュートはわずか2本。ハイプレスも速攻もなく、最後までスローテンポのままだった。
他にも左サイドの組み合わせや人選が正しかったのかという疑念や、今季を通じてチーム全体としてスプリント回数が増えない点など、現状のチームの問題を書き出せばキリがない。
即解任しろとは流石に言わない。
とはいえ、開幕戦で昇格組のハルシティを相手に0-2で破れ、その後も低調なパフォーマンスが続き、数的優位のダービーでも良い内容がなく敗れた。指揮官への信頼は揺らいでいる。このまま低調なパフォーマンスが続くと、解任も視野に入るだろう。
(文・内藤秀明)
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