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J1 14時間前

今も色濃い知念慶の不在…。鹿島アントラーズ、マテウス・ブエノの最適ポジションはどこなのか?

text by 編集部 photo by Getty Images
マテウス・ブエノ 鹿島アントラーズ
鹿島アントラーズでプレーするマテウス・ブエノ【写真:Getty Images】



 9月19日のJ1リーグ第8節、川崎フロンターレと3-3で引き分け、リーグ戦4試合未勝利となった鹿島アントラーズ。ボランチで先発したマテウス・ブエノは、前半限りでピッチを去った。清水エスパルス時代に獅子奮迅の活躍を見せたブラジル人MFの起用法は今も模索中だ。清水時代のデータをもとに、その能力をどう活かすべきかを探る。

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トップ下で見せたクオリティと、川崎戦での交代

 9月19日の川崎フロンターレ戦、鹿島アントラーズの背番号「8」はハーフタイムでベンチへ下がった。

【4-4-2】の中央で津久井佳祐と並んだマテウス・ブエノは、柴崎岳と交代。津久井も三竿健斗に代わり、3-3のドローに終わった一戦で、鹿島は後半開始から中盤の組み合わせを変更した。

 前節のヴィッセル神戸戦(9月11日)で、このブラジル人MFは異なる役割を担っていた。この試合の鹿島は【4-2-3-1】を採用。津久井と三竿がダブルボランチを組み、ブエノはその前のトップ下に入った。

 後半途中までプレーしたブエノは、この起用法で攻撃面に違いを作る。チャンスメイク数において、フル出場を果たした松村優太の「4」に次ぐ「3」を記録。両チームあわせて単独2位の決定機創出を数えた。

 神戸戦では、2人のボランチの前で攻撃に関与する形に可能性を示した。その一方、川崎戦では津久井とともに前半限りで交代。対戦相手や試合展開も異なるため、配置だけを理由に両試合の出来を評価することはできない。それでも、ブエノの持ち味を引き出す配置と組み合わせには、なお検討の余地がある。

 ブエノは加入後、リーグ戦8試合すべてに先発し、いまだ得点への直接関与はなし。前所属の清水エスパルスでもゴール・アシストはそれほど多くなかったが、その“直前”の局面では絶大な存在感を見せた。ボールを奪ってからのキャリー、決定機を作るラストパスは相手チームの脅威だった。

 鹿島でもその“半分”までは示せている。以下、清水時代との比較データは『FotMob』を参照する(プレー回数はすべて90分あたりの数値)。

 パス成功数はJ1百年構想リーグを戦った清水所属時の50.11本から今季の66.76本へ増加し、成功率も83.0%から87.4%に上がった。ロングボール成功数も3.14本から4.37本、チャンスメイク数も0.80回から1.40回に伸びている。鹿島ではパスを通す回数だけでなく、シュートにつながるパスも増えている。



入れ替わりでチームを去った知念慶

 つまり、むしろ攻撃性能は総じて向上していると言える。

 一方、デュエル勝利数は5.31回から3.84回に減り、勝率も59.2%から51.2%に低下した。タックル数は1.60回から0.87回、ボールリカバリー数は7.20回から3.32回へ減少している。インターセプト数は1.94回から1.92回と、ほぼ変わっていないが、守備スタッツは全体的に落ちている。

 現時点で読み取れるのは、清水時代の百年構想リーグと比べ、配球に関する指標が上向く一方、ボール奪取に関する複数の指標は低下しているという傾向だ。

 パスやチャンスメイク数の向上は、ブエノの配球力をどう生かすかを考える材料になる。違いを作った神戸戦のように、より前のポジションでボールを受け、攻撃をつなぐ役割は有力な選択肢だ。

 ボランチで起用する場合にも、周囲との役割分担によって持ち味を引き出せる可能性はある。だが、現在のブエノの良きパートナーになれそうな知念慶はもう鹿島を離れてしまった。

 2024年にFWからボランチへコンバートされた知念は、新たなポジションで活躍し、同年のJリーグベストイレブンに選ばれた。その知念の横浜F・マリノスへの完全移籍が発表されたのは、今年6月17日。2日後の19日には、ブエノの鹿島加入が発表されている。



“潰し屋”の不在をどう補完するか?

 Jリーグ公式データによれば、第8節終了時点の知念はタックル総数とデュエル勝利数は「35」で全体1位、ブロック総数「25」で3位に位置している。鹿島以外でも中盤の潰し屋として活躍できることを目下証明中だ。

 知念のように対人戦で強さを発揮する選手との組み合わせなら、ブエノの配球力とボール運びを引き出せる可能性がある。もちろん知念の不在をどう補完するのかには議論があるだろう。

 数字だけを見れば、ボランチとして最もマリノスの14番に近いのは三竿だ。タックル数・デュエル勝利数「17」はチーム内トップ、ブロック総数「13」は3位に位置する。

 しかし先述の通り、知念が記録する数字には及んでいない。プレータイム609分の同選手に対し、三竿は489分と差があるものの、90分あたりの数字に直してもタックル/デュエル勝利数は約1.65倍、ブロック数は約1.54倍の隔たりがある。

 とはいえ、三竿の場合は保持の際にもボールを預かる仕事を請け負っており、1試合あたりのパス数やチャンスクリエイト数では知念を上回る。与えられる役割が全く同じでないことには留意すべきだろう。

 川崎戦を終え、鹿島はリーグ戦4試合未勝利。問われるのは、ブエノ個人のベストポジションだけではない。その持ち味をチームの力へとつなげる中盤の組み合わせだ。入れ替わるように鹿島を去った知念の存在は、その課題をあらためて考えさせる。

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