
合流からわずか1日。U-21日本代表MF石渡ネルソンが、U-23タイ代表戦で今大会初出場を果たした。途中出場ながら、随所で存在感を発揮。力強さだけでなく、プレーの安定感とクオリティの高さを印象付けた。
“規格外”のMFが加えるダイナミズム
U-21日本代表は23日、アジア競技大会グループA第3節でU-23タイ代表と対戦し、3-0で勝利。3連勝でグループステージを終えた。
石渡に出番が訪れたのは3点をリードした55分。シント=トロイデンVVでプレーする21歳は、試合前日の22日にチームへ合流したばかりだったが、長距離移動直後とは思えない安定したプレーを見せた。
中盤からドリブルでボールを運び、ラストパスでチャンスも演出した。前方にスペースを見つければ迷わず持ち運び、中盤で2人を突破する場面もあった。力強さと推進力を備えながら、ボールを持った際の判断にも落ち着きがあった。
そのプレーの土台は、ここ数年で着実に磨かれてきた。2025年に期限付き移籍したいわきFCでフィジカル面を強化し、C大阪に復帰した2026年の明治安田J1百年構想リーグでは17試合に出場。WESTのベストヤングプレーヤー賞を受賞した。
今夏に加入したシント=トロイデンではさらに筋力トレーニングに取り組み、渡欧時から約2キロ増量。完全にスタメンの座を奪取したわけではないものの、ベルギーリーグでもここまで6試合に出場し、1得点1アシストを記録している。
ただ、タイ戦で目を引いたのは、単純なフィジカルの強さだけではなかった。
2列目からタイミングよく最終ラインの背後へ抜け出し、最後はゴールにはつながらなかったものの、決定的なチャンスを作った。中盤での起用ながら、時にはサイドまで流れてボールを引き出すなど、流動的な動きも見せていた。
もちろん、全体のバランスを崩してまで自由に動けばいいわけではない。それでも、石渡のようにダイナミックな動きで局面に変化をつけることができる選手は貴重だ。
今大会の日本は3試合で12得点を挙げている一方、相手に守備を固められた際には攻撃が膠着する時間帯も多かった。
攻守の安定感に加え、アタッキングサードで流動性をもたらすことのできる石渡の存在は、より難しい戦いが予想されるノックアウトステージで重要になってくるはずだ。
途中出場の限られた時間でも、そのスケールとクオリティは十分に伝わった。“規格外”の21歳が持つダイナミズムは、ここからのU-21日本代表をもう一段階引き上げる武器になりそうだ。
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