サッカーU-21日本代表は23日、第20回アジア競技大会のグループリーグ第3節でタイと対戦し3-0で勝利した。この一戦について、現役時代に横浜F・マリノスや川崎フロンターレでプレーし、現在は解説者として活躍する元プロサッカー選手の田中裕介氏に話を聞いた。(語り手:田中裕介)[1/5ページ]
「小杉啓太は…」
――本日はよろしくお願いいたします! スタメンが発表されました。前節から8人を変更してきましたが、ご覧になっていかがでしょうか。
「連戦という事もあり、大幅に変更。引き分け以上で1位になるという事でここは勝ちにきているかなと感じます。市原(吏音)、小杉(啓太)と守備陣に海外組が入り、まず後ろが崩れないように支えて失点を0にしたいといったところは意識して選んできたかなという印象です」
――小杉と市原は今大会初スタメンですね。小杉は田中さんと同じサイドバックを本職とする選手ですが、彼の良さなど、どういう印象ですか?
「身長はあまり高くないですが、運動量と対人能力に優れていて左利きの左SBという点も貴重です。長友(佑都)選手が長く日本代表を引っ張ってきたポジションですが、早くから海外で活躍してメンタリティの面でも物怖じしないでプレーできる点もポジティブに感じます」
――試合が始まりました。まず立ち上がりはどういうところに注目していきますか?
「立ち上がりは2点。タイがブロックを引いて守る事を想定して、ボールを動かしながら相手の守備組織をストレッチさせてスペースを突いて侵入して行く事ができるかがポイントです。もう一つは奪われた後でもすぐに奪い返して高い位置でカウンタープレスをして素早く攻めることも大事です」
――田中さんのおっしゃる通り、タイは後ろに構えていますね。ただ日本もシュートには持っていけています。ここまでは良い入りが出来ていると見ていいでしょうか。
「良いと思います。中央は人数がいるので、まずはサイドから2度決定機を作りました。サイドのゾーンは相手のカバーリングが薄いので、1対1で優位に立つ日本がそこから侵入してチャンスを作りました。高い位置での守備意識も高いと思います」
――確かにサイドからクロスに持っていく形はそこまで苦労していないですね。先ほどは小杉のクロスに右サイドバックの森壮一朗が飛び込みました。
「タイは4-4-2で守備時に両SHが日本のSBに対応。そのため、小杉と森は時折内側に入って、撹乱しています。ウイングにボールが入った際にアンダーラップをしてという形を狙っています。おっしゃる通りクロスを入れるまでは苦労していないので、中の局面での人数のかけ方とクロスの質が重要になりそうです」
――SBの柔軟な動きが効いているということですね。日本は良い流れのまま点を取りたいところですね。
「効いています。先ほどの小杉のように深く入った場所からクロスをあげられると良いと思います。ターゲットの道脇(豊)はマークを付かれるので、反対サイドのウイングと中盤も入れるとゴールの匂いはしそうです」
――ただ、初戦もそうでしたが、なかなか点が入らないとズルズルいく傾向にあります。田中さんもそういう試合を経験してきたと思いますが、やはり良い流れの時にゴールが入らないとネガティブな雰囲気になるものなんでしょうか。
「それはあります。特に力の差があると、チャンスが生まれやすいのですが、そこでゴールが入らないと、徐々に相手が慣れてくる部分が出てきます。ゴールが生まれない側はストレスと決めなければならないというプレッシャーがかかってきて雰囲気が悪くなる感じです。前半に最低でも1点は取りたいですね」

