
U-21日本代表DF小杉啓太【写真:Getty Images】
U-21日本代表は23日、アジア競技大会グループステージ第3節でU-23タイ代表に3-0で勝利し、3戦全勝・無失点で首位通過を決めた。フランクフルトでの試合を終え、前日に合流した小杉啓太は、左サイドバックでフル出場して豪快な一発も披露。ただ、その成長を測るうえでは、多彩な攻撃参加に加え、ドイツで磨く守備にも目を向けたい。
ひとりで何役もこなす攻撃性能
前半の小杉は、主に左サイドの外側を使って攻撃に関わった。14分には、ボールを持つ石橋瀬凪の近くから外側へ斜めに走り、相手を引き付けてクロスのコースを作った。そこから石橋がクロスを送り、道脇豊の決定機が生まれた。
19分には自ら外に張ってクロスを入れ、26分には大外から相手の最終ラインの背後を狙う動きも見せている。
後半は、内側でのプレーが増えた。開始直後から中央へ入る動きを見せると、47分には相手のクリアが不十分になったところに反応。ペナルティエリア手前から左足を振り抜き、ゴール右上に突き刺した。
それでも、内側にとどまっていたわけではない。49分、石橋が中へ切り込むと、小杉はオーバーラップで外を駆け上がった。50分にはペナルティエリア手前の位置からアーリークロスを送り、道脇のヘディングシュートを引き出している。
ドリブルに切れのある石橋が縦に仕掛ければ、後方でボールを失った場合に備える。石橋がカットインすれば、すかさず外から追い越す。味方の動きに合わせて立ち位置と役割を変え、中央に入ってパス回しにも加わった。
72分には、嶋本悠大、保田堅心、石橋とのパスワークからペナルティエリア内の左奥へ進入し、グラウンダーのクロスを送った。ゴール前で味方が合わせれば、決定機となる場面だった。
合流翌日という限られた準備時間でも、味方の動きを見ながら複数の役割をこなす。得点だけでなく、その柔軟さが際立った90分だった。
一方、この試合だけでは十分に見えなかった面もある。ドイツで磨いている対人の強さだ。シュート数は日本の30本に対し、タイは1本。日本が主導権を握る時間が長く、小杉が守備力を示す機会は限られていた。
ドイツで磨く、対人の強さと守備の判断
小杉は今季、ブンデスリーガ開幕から4試合すべてにフル出場している。データサイト『FotMob』によると、第4節終了時点のリーグ戦のデュエル勝率は61.0%(41回中25回)、空中戦勝率は66.7%(9回中6回)。タックルとインターセプトも、それぞれ8回を記録している。
スウェーデンのユールゴーデンIFでプレーした2025年と比べても、対人面の数字には変化が見える。当時のデュエル勝率は48%前後、空中戦勝率は40%程度だった。ドイツへ舞台を移した今季は、ここまでいずれも上回っている。
もちろん、まだ4試合の数字であり、特に空中戦は9回と機会が少ない。それでも、新たな環境で相手に競り勝つ場面を重ねていることは、前向きな材料だ。舞台がより強度の高いブンデスリーガである点も特筆すべきだろう。
その数字と合わせて注目したいのが、第3節のマインツ戦で見せた守備である。この試合ではアディ・ヒュッター監督が3バックを採用し、小杉は左ウイングバックを務めた。
67分、佐野海舟が中盤からペナルティエリア内へ進入し、パスを受けた場面。小杉は素早く内側へ絞って体を寄せ、最後は右足のスライディングでピンチを防いだ。相手にコーナーキックが与えられたものの、このシーンでは事なきを得ている。
対応が遅れれば決定機を許し、足を出すタイミングを誤ればPKにもつながりかねない場所だった。そこで危険を察知し、反則をせずに攻撃を止めた。単に体をぶつける強さだけでなく、カバーに入る判断とボールを捉える正確さが光った場面だった。この試合はチームも3-1で勝利した。
【4-3-3】をメインに戦う大岩剛監督のチームでサイドバックを務めるには、ウイングとの位置関係に応じた攻撃参加に加え、ボールを失った後の対応や対人守備も欠かせない。
26日の準々決勝の相手はU-23北朝鮮代表。タイ戦のように主導権を握り続けられるとは限らず、守備で踏ん張る時間も想定される。タイ戦で示した攻撃の多彩さに、ドイツで磨く対人の強さと的確な判断をどう重ねられるか。小杉の成長を、攻守の両面で確かめる一戦になるかもしれない。
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