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好調・鈴木唯人はなぜシュート1本に終わったのか? 日本代表で遠かったゴール前

text by 編集部 photo by Getty Images
鈴木唯人 日本代表
日本代表MF鈴木唯人【写真:Getty Images】



 24日のウルグアイ代表戦に先発した鈴木唯人は、シュート1本にとどまった。フライブルクでは今季のブンデスリーガ4試合で4得点。その決定力を代表でも生かすには何が必要なのか。前進を助けるために低い位置へ下りた前半と、ゴール前へ進出する場面が見られた後半から、周囲との役割分担を考える。



シャドーなのに、ボランチの位置でボールを受ける

 シャドーの一角で先発した鈴木唯人は、立ち上がりから頻繁にボールを受けに下りた。

 8分には佐野航大がボールを持つと、低い位置まで顔を出す。17分にはハーフウェーライン付近の自陣で囲まれかけた佐野航大を、すかさずサポート。攻守の切り替えでも、深い位置まで戻った。

 気の利いた動きを随所で見せる。ただ、前進を助けようとするほど、自身はゴールから離れてしまう。24分には佐野航大とのパス交換の後、ボールを運ぶ役割を同選手に任せ、自らはその背後を埋めるように中盤に残った。

 37分にも、前方へ抜け出した佐野航大が空けたスペースへ下りている。この場面では結局前線へパスが入らず、鈴木が低い位置で受けることになった。

 30分には右サイドから斜めに走って最終ラインの背後を狙ったが、パスは出てこなかった。その後、自らファイナルサード付近まで下りて受け、攻撃の起点役を担う。

 しかし、そこからフィニッシュに関わるには、再びゴール前へ走り込まなければならない。この試合での鈴木のシュートは18分、中村敬斗のパスを受け、ペナルティエリア手前のミドルレンジから放った1本のみだった。

 データサイト『FotMob』によれば、今季のブンデスリーガ4試合、出場323分でシュートは8本。1試合平均2本である。4得点という結果を考えるうえで注目したいのは、本数に加え、どのような状況で打てているかだ。

 枠内シュートは5本、xG(ゴール期待値)は合計2.61。シュート1本あたりのxGは平均約0.33で、得点につながりやすいチャンスを得ていることがうかがえる。相手ペナルティエリア内でのタッチは14回、90分換算で約3.9回だ。



打開のヒントは後半に?

 リーグ開幕節のブレーメン戦では、コーナーキックからのヘディング、デリー・シェアハントによる左からの折り返し、イゴール・マタノヴィッチのラストパスをいずれもゴール前で仕留め、29分、48分、55分と得点を重ねてハットトリックを達成した。

 第4節フランクフルト戦の同点弾も、シェアハントのクロスにファーサイドで合わせたボレーである。

 クラブでも、鈴木はフィニッシュだけを担っているわけではない。ブレーメン戦の3点目では、自らマタノヴィッチへパスを送り、リターンを受けて決めている。前進に関与しながら、最後はゴール前へ入れていることがポイントだ。

 対してウルグアイ戦の前半は、中盤のスペースを埋めたり、ボールを引き出したりする動きが目立った。それがチームを支えた一方で、自身が得点機に絡む機会は限られた。シュート1本という結果を考えるには、鈴木のクオリティではなくプレーする位置と周囲との役割分担に目を向ける必要がある。

 後半開始から佐野航大に代わって鎌田大地が入ると、鈴木が比較的高い位置を取る場面も見られた。55分にはドリブルでペナルティエリア内へ進入。中にクロスを供給できれば味方の決定機につながったかもしれないが、リヴァプールのロナルド・アラウホの対応に遭い、そこまでに至らず。

 73分には、鎌田の縦パスを久保建英がダイレクトで流し、相手陣地手前でポジションを取る鈴木が久保へ折り返す場面も生まれた。中盤からパスが入り、周囲との連係がかみ合えば、鈴木はゴールに近い位置で攻撃に関われる。

 問われるのは、鈴木が高い位置を保っていてもボールを前へ運べる中盤の構成と、周囲との役割分担だ。そして鈴木自身にも、受けに下りる場面と、味方に任せてボックスへ飛び込む場面を見極める判断が求められる。

 何でもこなせる器用さは武器である。その力を代表でのゴールにつなげるには、前進を助ける仕事と、最後に仕留める仕事をどう両立させるか。周囲に任せる局面をつくることも、鈴木をゴールへ近づけるひとつの鍵になるだろう。

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【了】

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