
代表4試合目での初ゴールが決勝点となった日本代表FW塩貝健人【写真:Getty Images】
2度のボールロストがありながら、最後は代表初ゴール。塩貝健人のプレーにはまだ粗さが残る。それでも、その個性を受け止められる“余白”が今の日本代表にはある。21歳の姿から、次のサイクルへ進むチームの現在地を考える。
空回りの先にあった代表初ゴール
日本代表は24日、キリンチャレンジカップ2026でウルグアイ代表と対戦し、3-1で勝利した。
1-1の83分に投入された塩貝健人は、短い時間の中で積極的にボールに絡んだ。一方、その意欲が空回りする場面もあった。
左サイドで仕掛けながら奪われ、その後も相手を抜き切れずにロスト。同点の終盤だけに、簡単にボールを失いたくない時間帯でもあった。
それでも後半アディショナルタイム、伊東純也からパスを受けると、上田綺世に預けて動き直す。リターンを受け、GKとの1対1を冷静に沈めた。代表4試合目での初ゴールが決勝点となった。
プレーにはまだ粗さがある。ゴールへの意識が強すぎるあまり、周囲が見えなくなることもある。
塩貝自身もロストした場面について、「点が点がってなると、やっぱボールしか見えなくなって、実際にあのシーンでも外が見えてなかった」と振り返り、「使わなかったっていうよりは、ボールウォッチャーになって使えなかった」と分析した。
「このゴールだけで満足せずに、そういうところをしっかり改善できるように」と、課題も自覚していた。
一方で、そんな塩貝のキャラクターを受け入れられることも、今の日本代表の強みなのかもしれない。
現在の日本代表は、堂安律、板倉滉、鎌田大地、上田綺世ら、代表歴が長く、2026 FIFAワールドカップを経験した30歳前後の選手が中心を担っている。海外で長くプレーしてきた選手も多く、チームにはすでに、森保一監督のもとで創り上げてきた一定の土台がある。
だからこそ、その中に塩貝のような勢いのある若手が入ってくる意味がある。プレー面でも、人間的なキャラクターという面でも、周囲とは少し違う熱量を持つ選手が加わることで、チームに違う風を吹かせることができるのではないか。
そして何より、今の日本代表には、そんな塩貝の“粗さ”も含めた個性を受け止められる、成熟したチームの“おおらかさ”ともいえる余裕がある。
この日も、塩貝がボールを失った直後に、周囲が過度な身振りで責め立てるような場面は目立たなかった。選手のコメントなどを聞いても、彼の個性がチームの中で尊重されているような印象を受ける。
森保監督も、以前からそうした若手の勢いを肯定的に捉えてきた。ウルグアイ戦後にも、塩貝と松木玖生について「若手らしいギラギラしたところ」を評価していた。
経験豊富な選手たちが軸となり、若手が思い切って自分の色を出せる。塩貝の存在からは、ワールドカップを終え、次のサイクルへ進み始めた日本代表のバランスも見えてくる。
ただ、その“粗さ”自体が評価されるわけではないことは本人が一番自覚しているだろう。
ときに空回りしながらも、勢いを武器にプレーする選手だからこそ、最後は得点やアシストという結果で周囲を納得させる必要がある。
ここ最近、クラブで結果が出ていなかった21歳にとって、この1点は小さくない。自らの“ギラギラ”をうまく昇華し、結果へと変えていけるか。塩貝の代表での立ち位置は、そこに懸かっている。
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