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J1 2026.10.5 17:57

東京ヴェルディ、城福浩監督の解任は本当に今だったのか? 補強直後の決断に残る疑問

text by 編集部 photo by Getty Images
城福浩監督
契約解除が発表された東京ヴェルディの城福浩監督【写真:Getty Images】



 東京ヴェルディは10月5日、城福浩監督との契約解除を発表した。開幕8試合で4分4敗、19位という成績は厳しい。ただし、主力の負傷離脱や補強の時期を考慮すれば、監督交代が最善だったのかは問われる。『Sofascore』のデータとクラブの経営規模から、今回の決断を考える。

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得点不足を補ってきた守備に異変

 2022年途中に東京ヴェルディの指揮官へ就任した城福監督は、翌年に16年ぶりのJ1復帰を実現。2024シーズンにはチームを6位へ導き、2025年も17位で残留を果たした。しかし、今季は8試合でわずか4得点。勝利を挙げられないまま、指揮官交代が決まった。

 データを見ると、クラブが危機感を抱いた理由は理解できる。とりわけ深刻なのは、得点不足に加えて守備の数字が悪化していることだ。

 2025シーズンは38試合で23得点にとどまりながら、17試合を無失点に抑えた。攻撃の不足を守備で補い、勝ち点を積み重ねたシーズンだった。

 ところが今季、1試合平均の被シュートは昨季の10.79本から15.88本へ増加。被ペナルティーエリア内シュートも7.18本から10.25本になった。相手に許したチャンスを得点の可能性で評価する被ゴール期待値(被xG)は、1.05から1.71に上昇している。

 同じ開幕8試合で比べても、被シュートは2024年が88本、2025年が91本、今季が127本。対戦相手の違いはあるものの、相手の攻撃を抑える力の低下は見過ごせない。

 昨年は谷口栄斗(川崎フロンターレ)や深澤大輝(アビスパ福岡)、シーズン途中までは綱島悠斗(アントワープ)も所属しており、J1でも指折りの実力者たちがDF陣を形成していた。退団時期は異なるものの、今季は全員クラブを去っている。

 攻撃には、結果が内容を下回っている面もある。今季のゴール期待値(xG)は8.28だが、川崎フロンターレ戦とジェフユナイテッド千葉戦の2試合だけで全体の約63%を占める。残る6試合は平均約0.51にすぎない。



戦力流出に加えて深刻な怪我人続出

 好機を作った試合で決め切れなかった一方、チャンスそのものが乏しい試合も多い。「不運だった」と片付けられる状況ではないのも事実と言える。得点数で比べても、今季はリーグ8試合終了時点で「4」に留まるところ、2025シーズンは「7」を数えていた。

 とはいえ、攻撃面に影響する選手の入れ替えも発生している。谷口と綱島はみずからもフィニッシャーとしての得点力があった上、2024シーズンのJ1で10得点をあげた木村勇大は翌2025年の8月に名古屋グランパスに加入している。

 それに加えて、2024年にリーグ戦7得点6アシストを記録した山見大登が 「左膝前十字靭帯損傷」で長期離脱中。攻守の要である森田晃樹も連続負傷により今季はJ1でのプレータイムが41分にとどまっている。

 3バックの右を主戦場としながら様々なポジションをこなせる宮原和也も、右膝前十字靭帯損傷および半月板損傷により全治8〜10か月の大怪我を負っている。例年のごとく選手の流出が続きながら、主力の怪我も深刻なのが今季のヴェルディだ。

 経営規模も判断材料になる。Jリーグが公表した2025年度決算によると、同クラブのトップチーム人件費は12億7900万円。これは同年度のJ1平均23億500万円の半分程度だ。トップの浦和レッズが32億7200万円であることを考えると、差額にヴェルディの人件費が丸々収まってしまう計算である。

 限られた費用で残留を実現してきた仕事を、現在の順位だけで低く評価することはできないはずだ。



新戦力は十分に試せたか?

 そのなかで、今回の解任で最も疑問が残るのはそのタイミングかもしれない。

 相対的に少ないリソースで、シーズン開幕後にも補強に踏み切る決断も見せた。一美和成の加入発表は9月10日、藤本寛也は17日、チョ・ユミンは18日。後ろから前まで、戦力が不足していると思われるポジションに実績と実力のある選手を迎えた。

 しかし第8節は19日で、藤本とチョ・ユミンの加入発表後、解任までのリーグ戦は1試合しかなかった。

 藤本の出場は9分にとどまり、チョ・ユミンは出場なし。一美も加入後のリーグ出場は2試合、プレータイムは計70分だった。追加補強を組み込んだチームの可能性を、十分に検証できたとは言いにくい。

 もちろん、続投すれば立て直せたという保証はない。守備指標の悪化は明確で、残留に向けて早期に動く判断にも理由はある。

 それでも、補強選手がそろった段階で、実績ある指揮官に改善の機会を与える選択肢はなかったのか。不振への対処が必要だったことと、この時点の監督交代が最善だったことは、別々に検証されるべきでないだろうか。

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