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バロンドール予想オッズが再逆転。73得点のケインか、世界一のヤマルか。ロンドンで歴史は動く?

text by 編集部 photo by Getty Images
ハリー・ケイン ラミン・ヤマル
バロンドールで有力候補のハリー・ケインとラミン・ヤマル【写真:Getty Images】



 10月26日、ロンドン・パラディウムで第70回バロンドールの授賞式が行われる。初の英国開催で25年ぶりのイングランド人受賞を目指すハリー・ケイン。一時はラミン・ヤマルに予想オッズの首位を譲ったが、10月中旬に再逆転した。圧倒的な得点力とW杯優勝。異なる実績を持つ2人が争う栄誉の行方は――。



英国人が受賞すれば25年ぶり

 今年の授賞式は伝統のパリを離れ、英国の首都で開かれる。1956年の第1回受賞者で、イングランドの名手スタンリー・マシューズへのオマージュだ。ケインが受賞すれば、イングランド人としては2001年のマイケル・オーウェン以来25年ぶり。70年の時を経て、初代受賞者の母国で新たな歴史が刻まれることになる。

 ケインの数字は文句なしだ。バイエルン・ミュンヘンでは2025/26シーズンの公式戦51試合で61得点を挙げ、ブンデスリーガとDFBポカールを制覇。リーグ戦36得点でヨーロッパ・ゴールデンシューも手にした。

 FIFAワールドカップ 2026(北中米W杯)でも6得点を挙げ、ゲーリー・リネカーを抜いてW杯におけるイングランド代表の歴代最多得点者となり、チームの3位に貢献。オッズ比較サイト『Oddschecker』によると、対象期間のクラブと代表を合わせて65試合73得点を記録した。

 個人の得点実績、クラブでのタイトル、母国開催の授賞式という舞台。8月から9月にかけては予想オッズでも本命視され、ケイン戴冠を期待する材料はそろっていた。

 しかし、9月末から10月初めにかけて情勢が変わった。

 『Oddschecker』によると、投票締め切り日の9月28日、ブックメーカーのSpreadexではヤマルの受賞をケインより有力とみなす動きがあった。翌29日の同サイトの記事ではケインがなお最有力候補とされていたが、10月5日にはヤマルが本命に浮上した。

 ところが、その後は再びケインが優勢に。10月10日付のサッカーメディア『Tribuna』は、ケインがヤマルを抜いて本命に返り咲いたと報じた。12日時点の『Oddschecker』でも、オッズを提示している各ブックメーカーでケインがヤマルを上回る評価を受けている。

 変動の背景として『Tribuna』が挙げたのは、10月6日の代表戦だ。ケインはチェコ代表戦で2得点を挙げた一方、ヤマルはクロアチア代表戦で得点に絡まなかった。

 ただし、今回のバロンドールは7月19日までの実績が評価対象で、投票も9月28日に締め切られている。10月6日の活躍が受賞結果に直接影響するわけではない。投票後も変動するオッズは、100人の各国ジャーナリストがどのように投票したかを市場が予測したものにすぎず、実際の投票結果を示しているわけではない。 



票の行方は10月26日に

 では、2人の評価を分けるものは何か。

 ヤマルの強みは、個人の活躍に加えてW杯優勝という実績があることだ。バルセロナでは公式戦45試合で24得点17アシストを記録。ラ・リーガを制し、リーグ年間最優秀選手にも輝いた。

 そして北中米W杯では、アルゼンチン代表との決勝で120分間プレーし、スペインの優勝に貢献。昨年のバロンドールで2位に終わった19歳にとって、世界一のタイトルは大きなアピール材料となる。

 一方のケインも国内二冠を達成しており、チームタイトルが不足しているわけではない。ただし、欧州チャンピオンズリーグ(CL)とW杯では頂点に届かなかった。

 バロンドールの選考基準は、個人のパフォーマンス、チームの実績とタイトル、品格とフェアプレーの順に重視される。圧倒的な得点記録を残したケインと、クラブでの活躍にW杯優勝を加えたヤマル。どちらの実績を高く評価するかが、今回の受賞争いの焦点となる。

 もちろん、ロンドン開催だからといってケインが有利になるわけではない。バロンドールは各国の専門記者による投票で決まり、開催地は評価基準に含まれていない。

 それでも、70年前の初代受賞者がイングランド人だったという歴史は、ケインの挑戦に特別な意味を与える。一度はヤマルに譲った予想オッズの首位を取り戻したケインだが、すでに投じられた票の行方は分からない。

 地元での戴冠という物語は完結するのか。それとも、W杯王者ヤマルが栄冠を手にするのか。答えは26日に明らかになる。

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