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直近5戦わずか25分。なぜ久保建英は使われない? マタラッツォ監督が求める「縦への推進力」と復権の条件

text by 編集部 photo by Getty Images
久保建英
レアル・ソシエダでプレーする久保建英【写真:Getty Images】



 レアル・ソシエダの久保建英が、出場機会を失っている。リーグ戦は5試合連続でベンチスタートとなり、直近2試合は出番なし。それでもチームは2連勝を飾った。日本時間16日未明のUEFAヨーロッパリーグ(EL)を前に、なぜ日本代表アタッカーの序列が下がったのか。指揮官のドイツ時代の起用法も手掛かりに考える。

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結果を出すライバルと、遠ざかるピッチ

 11日のデポルティーボ・ラ・コルーニャ戦で、久保建英は最後までベンチを温めた。チームは3-2で勝利。9月のエルチェ戦、アトレティコ・マドリード戦、ELボーンマス戦、バレンシア戦、そして今回のデポルティーボ戦と、直近の公式戦5試合で久保の出場は計25分にとどまる。

 もっとも、デポルティーボ戦の不出場には事情もあった。久保を含む交代の準備が進んでいたが、パブロ・マリンの退場によって予定が変更された(出典:『Mundo Deportivo』10月12日付 )。起用されなかった事実だけで、監督の構想から完全に外れたと結論付けるのは早い。

 一方、攻撃陣の競争は激しい。右サイドではジョブ・オチエングが台頭。エルチェ戦で1得点2アシスト、バレンシア戦でもアシストを記録した。ゴンサロ・ゲデスやアンデル・バレネチェアも選択肢になる。

 久保自身は今季リーグ戦で得点、アシストともにゼロ。チームを率いるペッレグリーノ・マタラッツォ監督も9月の会見で、本人と話し合ったことを明かし、まだ本来の状態ではないとの認識を示していた。指揮官が他の選手を選ぶことにも根拠はある。

 では、マタラッツォ監督はこれまでにどんな選手を攻撃に据えてきたのか。

 シュトゥットガルトではサイラス・カトンパ・ムブンパの突破力と、長身FWサーシャ・カライジッチのポストプレーを生かした。ホッフェンハイムでは、DFラインの背後へ飛び出すマクシミリアン・バイアーと、ボールを収めるボウト・ベグホルストを組ませていた。



スピードだけではない。技巧派クラマリッチの存在

 ただし、スピードや強さだけを求める監督ではない。ホッフェンハイムでは、狭い位置でボールを受け、味方へ決定的なパスを送るアンドレイ・クラマリッチも攻撃の中心だった。異なる特徴を補い合う組み合わせを好んできたと言える。

 実際、デポルティーボ戦後に指揮官が問題視したのは、攻撃のテンポの遅さや、縦方向に相手のラインを破れなかったこと。一方、アルセン・ザハリャンを最前線で先発させた理由には、狭い場所で前を向き、縦パスを通せる能力を挙げた(出典:現地紙『AS』10月11日付)。技巧派そのものを避けているわけではない。

 そう考えると、久保がこれまで担ってきた右ウイング以外で生きる余地もある。事実、クラマリッチは【3-4-1-2】における「1」の部分、シャドーやトップ下で起用されていた。

 厳密にはクラマリッチと久保は同じタイプの選手ではないが、内側で受けて味方と連係する能力は同様に武器だ。ただし中央にもザハリャンやルカ・スチッチらの競争相手がおり、ボールを持たない場面での走りや前線からの守備も求められる。

 10月14日の『AS』によれば、マタラッツォ監督はELの前日会見でも、高い位置からのプレスを重視する姿勢を強調している。攻撃で違いを生み出すだけでは、先発の座を取り戻すには十分ではないだろう。

 また同紙は、ユニオン・サン=ジロワーズとのEL第2節で久保が先発する可能性を報じた。しかし過密日程に伴うローテーションであれば、先発復帰がそのままリーグ戦での序列回復を意味するわけではない。

 久保が取り戻すべきなのは、かつての定位置という肩書きではなく、今のチームで攻撃を前進させる実効性かもしれない。右での突破か、中央での連係か。欧州の舞台は、その答えを示す機会となる。

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