フットボールチャンネル

イタリアは「カテナチオからやり直そう」。CLで史上初の4クラブ全敗。セリエA勢“4戦14失点、8戦1勝”歴史的惨敗の背景

text by 編集部 photo by Getty Images
インテル CL
インテルのニコロ・バレッラとマルクス・テュラム【写真:Getty Images】



 UEFAチャンピオンズリーグ(CL)第2節で、セリエA勢4クラブが史上初となる同一節全敗を喫した。4試合で14失点、開幕からの8試合でもわずか1勝。堅守を強みとしてきたイタリアサッカーに何が起きているのか。

欧州CLはWOWOWで全試合独占配信!
BS環境がなくても配信で視聴可能WOWOWに今すぐ加入[PR]




「守備の国」に何が起きたのか

 現地時間10月13日・14日のCLリーグフェーズ第2節は、イタリア勢にとって歴史的な2日間となった。

 インテルはクラブ・ブルージュに3-4、ナポリはビジャレアルに1-3、コモはフェイエノールトに2-3、ローマはレアル・マドリードに3-4で敗戦。『ガゼッタ・デロ・スポルト』などによると、同一節でイタリア勢4クラブが全敗するのは史上初だという。

 4試合の合計は9得点14失点。第1節を含めても1勝1分6敗で、唯一の白星はコモがRBライプツィヒを4-1で下した試合だった。守備を伝統的な強みとしてきた国のクラブとしては、失点の多さが気にかかる。

 インテルは2試合で6失点、ナポリは4失点を喫している。対戦相手にレアル・マドリードやアーセナルが含まれているとはいえ、昨季のセリエAの1位と2位チームの成績と考えれば、事態は深刻に見える。

 15日付の『ラ・レプッブリカ』は、両クラブの開幕2連敗に共通する問題として守備の崩壊を指摘。かつてイタリアサッカーの特徴であり、勝利をもたらしてきた信条は「失点しないこと」だったと振り返り、そのアイデンティティーが揺らいでいると論じた。

 ナポリのマッシミリアーノ・アッレグリ監督も、ビジャレアル戦後に「守備ができることが、まるで恥ずかしいことになってしまった」と、守備を軽視する風潮に苦言を呈した(出典:『Sky Sport Italia』10月13日付)。



「カテナチオからやり直そう」

 そのうえで、DF陣の働きは評価しながらも、チーム全体の守備のバランスが崩れ、多くのシュートを許していることを問題視している。

 実際、第2節ではナポリ、コモ、ローマの3クラブが先制しながら逆転負け。リードを失うまで、それぞれ15分、2分、5分しかかからなかった。第1節のローマ対フェネルバフチェ戦でも先制から9分で追いつかれており、リードを維持することに苦しんでいる。

 さらに第2節の14失点のうち、6失点が81分以降に集中した。

 象徴的なのはローマだ。レアル・マドリードに3-1とリードしながら、終盤にコーナーキックを起点とする3失点で逆転を許した。ジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督も、終盤のセットプレー対応を反省している。

 各クラブの内実も異なる。インテルはブルージュ戦で30本のシュートを放ちながら4失点。ナポリは2試合の合計ゴール期待値(xG)差がマイナス3.37と攻守とも厳しい。対照的にコモは2試合合計のxG差がプラス2.31で、内容と結果の隔たりが目立った。

『ガゼッタ・デロ・スポルト』は15日付の論評で「カテナチオからやり直そう」と提言した。時代に逆行する議論かもしれないと断りながらも、イタリアサッカーが培ってきた守備能力を再び育む必要性を訴えている。史上初の4戦全敗は、伝統的な強みを現代のサッカーにどう生かすか、という課題を浮き彫りにした。

【関連記事】
イタリア代表の崩壊はメディアの責任でもある。セリエAの外国人偏重起用問題を報じない…いや、報じられない理由【コラム】
セリエAなのにイタリア人がいない…。なぜ優秀な若手が育ちにくいのか。「今の限界を招いてしまった」大きな誤解とは【コラム】
新生イタリア代表のメンバーは? ユーロ制覇から5年。マンチーニに託されたアッズーリ再建【コラム】



『フットボールチャンネル』でサッカー最新情報を見よう!
いち早くチェックしたい方は下記リンクから↓↓




【了】

KANZENからのお知らせ

scroll top