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マンチェスターU、次期監督の有力候補にエディ・ハウ氏。2年前に見送った人選が再浮上する皮肉

text by 内藤秀明 photo by Getty Images

ニューカッスル・ユナイテッドのエディ・ハウ監督
マンU、次期監督の有力候補のエディ・ハウ【写真:Getty Images】



 マンチェスター・ユナイテッドの次期監督候補として、前ニューカッスル監督のエディ・ハウ氏が浮上している。英紙『ガーディアン』のジェイミー・ジャクソン記者は25日、フットボールディレクターのジェイソン・ウィルコックス氏がハウ氏を推していると報じた。ハウ氏は約2年前、当時の強化責任者が推薦しながら、クラブが見送った人物でもある。(文・内藤秀明)

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実績と文化づくりを兼ね備えた再建候補

 ユナイテッドは25日、プレミアリーグ第8節でボーンマスにホームで0-3と敗れ、公式戦8試合未勝利となった。英メディア『スカイ・スポーツ』によると、クラブ内部ではマイケル・キャリック監督が解任されるとの見方が広がっている。

 加えて、『スカイ・スポーツ』のロブ・ドーセット記者らは25日、現時点の最有力候補はエディ・ハウ氏とユリアン・ナーゲルスマン氏の2人と報じている。ただし、ハウ氏の招聘に必要な費用については報道が分かれている。英紙『テレグラフ』は、ニューカッスル退任時の取り決めにより、最大600万ポンド(約13億円)の補償金が必要になる可能性があると報じる一方、『スカイ・スポーツ』は補償金が不要と伝えている。

 筆者は、この2人ならハウ氏が選ばれる可能性が高いとみる。ナーゲルスマン氏を高く評価しているのはリクルートメントディレクターのクリストファー・ヴィヴェル氏だが、英紙『ガーディアン』によれば、ハウ氏を推すウィルコックス氏の意向のほうがクラブの意思決定に強い影響を与える可能性がある。その後押しに加え、ハウ氏には現場を立て直してきた実績もある。

 ハウ氏は2021年11月、降格圏に沈んでいたニューカッスルの監督に就任すると、そのシーズンを11位で終えた。その後はチャンピオンズリーグ出場権を2度獲得し、2025年にはカラバオカップを制してクラブに70年ぶりの国内タイトルをもたらしている。

 このチームで主軸を担ったのが、今夏アーセナルへ移籍したブラジル代表MFブルーノ・ギマランイスや、バルセロナへ渡ったイングランド代表FWアンソニー・ゴードンだ。トップレベルの選手たちをマネジメントした経験も評価したい。



 その土台にあるのが、日常から文化をつくる姿勢だ。ハウ氏は、チームの現状を形づくるのは日々の振る舞いや練習場での接し方、選手とスタッフの関わり方といった文化だと述べ、「それが自然と試合当日にも浸透していくのだと思う」と語っている。今のユナイテッドには、戦術家より土台を作れる監督が必要だ。

 ただし、ハウ氏の招聘には痛烈な皮肉もある。ユナイテッドは約2年前、その機会を一度自ら見送っているのだ。2024年10月にエリック・テン・ハフ監督を解任した際、当時スポーティングディレクターだったダン・アシュワース氏が、後任候補の1人としてハウ氏を推薦していた。アシュワース氏はニューカッスルでハウ氏と仕事をともにし、同年7月にユナイテッドが同クラブへ補償金を支払ってまで迎え入れた人物だ。

 しかし、共同オーナーのジム・ラトクリフ氏はこの推薦を退け、違約金を払ってスポルティングCPからルベン・アモリム監督を引き抜く。英ラジオ局『トークスポーツ』によれば、このときハウ氏の招聘に異を唱えた中には、ほかでもないウィルコックス氏もいたという。アシュワース氏は同年12月、就任からわずか5カ月で退任した。監督人事をめぐる意見の相違が背景にあったとの報道もあるが、クラブ側は両者の関連を否定している。

 ハウ氏の招聘にたどり着くなら、手放した責任者の推薦へ約2年かけて戻ることになる。この2年間は、いったい何のための遠回りだったのか。

(文・内藤秀明)

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