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アジア 6年前

急成長の可能性秘めるベトナムサッカー 。投資ファンド参入、2人のマンUレジェンドも支援

ベトナムサッカーは急激な成長を遂げるかもしれない。不動産最大手ビングループが投資する国内最大アカデミーの存在があるからだ。アジアトップクラスの施設を持つ同アカデミーにはライアン・ギグス氏やポール・スコールズ氏らも携わり、サッカーの本場イギリスからは数々の専門家がベトナムへとやってきて選手の育成に尽力している。2030年W杯進出を目指しているベトナムはいずれ、日本そして世界を脅かす存在になるかもしれない。(取材・文:宇佐美淳【ベトナム】)

text by 宇佐美淳 photo by Jun Usami

ベトナム不動産最大手が投資するアジアトップのアカデミー

PVF
ベトナム最大アカデミー内部の様子【写真:宇佐美淳】

 ベトナムの不動産最大手ビングループと聞いて、ピンとくる日本人が果たしてどれだけいるだろうか。国際的な知名度はまだまだかもしれないが、ベトナム国内では、知らぬ者はいない国内最大の企業グループである。

 会長のファム・ニャット・ブオン氏は、資産総額48億ドル(約5380億円)で、世界の長者番付にも名前が挙がる大富豪。因みに、同じく不動産王と呼ばれるドナルド・トランプ米国大統領の資産総額は31億ドル(約3470億円)で、ブオン会長の方が上回っている。

 そのビングループが出資しているサッカーアカデミー「ベトナムサッカー選手才能開発投資ファンド(PROMOTION FUND VIETNAMESE FOOTBALL TALENTS、略称PVF)」が11月20日に、北部フンイエン省に新センターをオープンした。

 広大な敷地に、最新設備を備えたアジアトップクラスのアカデミーだが、最も注目されているのは、超大物のアカデミーダイレクター。8か月に及ぶ交渉の末に就任が決まったという、マンチェスター・ユナイテッドのレジェンド、ライアン・ギグス氏の存在だ。

 ここで少しPVFの歴史について簡単に紹介しておこう。PVFは、2008年末に設立された育成特化型のアカデミー。近年のアンダー世代選手権では、優勝争いの常連となっており、ホアン・アイン・ザライ(HAGL)、ベトテルと並ぶベトナム3大アカデミーに数えられるが、獲得タイトル数では、他を凌駕しているため、国内最強アカデミーといっても差し支えないだろう。

 頻繁にアジアやヨーロッパへの遠征を実施するとともに、国外クラブのベトナム遠征時には、積極的に親善試合を受け入れており、選手たちは若くして豊富な国際経験を積むことができる。

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