久保建英 最新ニュース
ラ・リーガ第32節、ビジャレアル対レアル・ソシエダの試合が現地時間20日に行われ、2-2の引き分けに終わった。ホームチームが支配していたこの試合、ソシエダの唯一の希望となったのが、サッカー日本代表の久保建英だった。同選手のプレーについて、現役の東京大学生が分析する。(文:阪田天祐)
レアル・ソシエダが圧倒された中で久保建英は…

【写真:Getty Images】
久保建英が右ウイングで先発したこの試合、主導権は、名将マルセリーノ・ガルシア監督率いるビジャレアルが握る。その中核にはMFダニ・パレホとMFデニス・スアレスがおり、2人がテンポよく絡んで常にソシエダの先手を取ることによってボールを前進させた。
前進した先では、両サイドバックが幅を取り、FWジェレミ・ピノとFWティエルノ・バリーが最終ラインの奥へと走り込み、空いた手前のスペースでFWアジョセ・ペレスが待つ。こうしてピッチ上のスペースと選択肢を自在に使いこなしたビジャレアルは、7分と60分に、戦術的な狙いが的中した見事なゴールを決めた。
一方のソシエダは、ビジャレアルの組織的な4-4-2ブロックの守備に大苦戦。得意のビルドアップの形も、ホームチームの果敢なミドルプレスとそれに連動したカバーの完璧なポジショニングを前に、機能しなかった。
セットプレーでのハンドから獲得した19分のPKと、49分の相手GKの致命的なロストによって2点を奪い、なんとか引き分けに持ち込むことに成功したが、ビジャレアルの戦術完成度の高さに始終圧倒されていた。
そんな内容でも、この日の久保のプレーを見ていた観客の脳裏からは、“彼がボールを持つと何かが起こる”という期待感が不思議と離れなかったことだろう。久保が抱かせ続けるこの“ワクワク感”の正体は、久保が起こす“何か”とは、いったい何なのか。