ベガルタ仙台は8月24日、明治安田J2リーグでジェフユナイテッド千葉と対戦し、1-0で勝利した。6試合ぶりの勝利はJ1昇格争いを生き残るうえでも重要な一戦だった。この試合で攻撃の起点となったのはJ3の高知ユナイテッドSCから移籍してきたFW小林心。加入からずっと起用され続けている24歳は今も高知で学んだことを大切にしている。(取材・文:小林健志)
ゴールの起点となったベガルタ仙台・小林心のドリブル
【写真:Getty Images】
前半戦好調を維持し、一時はJ1自動昇格圏内をキープしていたベガルタ仙台だったが、7月から8月にかけて5試合勝利が無く、順位もJ1昇格プレーオフ圏まで下がり、苦しい状況にあった。
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6月から改修工事の終わったユアテックスタジアム仙台に戻ってのホームゲームで勝利が無く、8月16日に行われた第26節・レノファ山口FC戦は後半にリードを奪いながらも、試合終盤に追いつかれて、2-2の引き分けで後味の悪いものとなった。
加えて8月20日、MFオナイウ情滋がJ1の横浜F・マリノスに完全移籍、MF名願斗哉がJ1の川崎フロンターレに復帰し、移籍期限終了間際にサイドハーフ2人を失う形となった。
このような状況で迎えた8月24日の第27節・ジェフユナイテッド千葉戦は、負ければJ1昇格プレーオフ圏外まで順位を下げることが確実となり、上位からも引き離される崖っぷちの状況だった。
そんな中、仙台の選手は持ち前のハードワークを見せて前半、試合の主導権を握り、38分に先制ゴールが生まれた。MF郷家友太が対面の千葉のMF椿直起に制限をかけ、椿は横パスを入れる。「(椿が)パス出しそうだなと思って、相手の顔が下がったのが見えたので、その瞬間に出る前にちょっと外へ行ったら取れました」と椿のちょっとした仕草を見逃さずボールをカットしたのが、MF鎌田大夢だった。
そして、鎌田からのパスを受けたのは、ここ3試合先発出場が続いているFW小林心だった。「最初は自分で仕掛けて、縦に行ってシュートまで持ち込もうと思ったんですけど、(荒木)駿太君が最後に(右に)流れたので、そこを使ってもう1回中に入り直そうかな」と相手DFを引き付けながら自慢のスピードに乗ったドリブルで相手陣内へ前進し、右サイドに流れた荒木へとパスを送る。
小林にパスを出した鎌田は「周りの状況が見えていなかったので、(小林に)つけて自分が追い越していこうかなと思ったんですけど、(小林の足が)速かったので追い越せなかったですね」と改めて小林のスピードを実感していた。