北海道コンサドーレの原康介が今、試練の中にいる。柴田慎吾新監督の初陣では失点につながるミスを犯すなど、本来の持ち味を発揮できず45分で途中交代した。その後も2戦連続でメンバー外を味わっている原だが、自身の課題と向き合い、練習に励んでいる。逆境から飛躍の予感を感じさせる20歳の若武者は転んでもただでは起きない構えだ。(取材・文:黒川広人)
北海道コンサドーレ札幌・原康介が直面する新たな壁
【写真:Getty Images】
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原康介はルーキーイヤーとなった2024年、チームのシーズン初ゴールを記録し、J1で2ゴールを挙げるなど着実に爪痕を残した。飛躍を誓った2年目は、シーズン序盤こそ出場機会に恵まれない日々が続いたが、第18節のベガルタ仙台戦から9試合連続で出場し、ここまで14試合出場で2ゴールをマークしている。
7月にはウズベキスタン遠征に臨むU-22サッカー日本代表メンバーにも選出されるなど、対外的な評価も着実に高まっている。高卒2年目の選手の立ち位置としては順調な歩みとも言えるが、「今、新しいステップの壁に当たっています」と吐露する。
原の新たな壁――それは、スタメン起用された際にいかに自身の特徴を発揮できるかだ。これまでのキャリアで記録したリーグ戦での4ゴールは全て途中出場から。試合の勝負所で、原の仕掛けの能力と状況観察眼の巧みさを発揮できているとも言えるが、スタメン起用された試合ではまだまだストロングポイントを出しきれていないのが原の現在地でもある。
「去年から途中出場が多かったですけど、ここ数試合はスタメン出場の難しさも感じています。途中出場の際は、展開がオープンになるので、自分の特徴も出しやすいんです。ただスタメンの場合、相手もエネルギーがある状態ですし、オーガナイズされた守備の中、どう崩すか。自分の良さを出そうとしてもなかなか発揮し辛いんです。たとえ、そんな中でも良いメンタルで試合に臨み続けられるかという課題に今、当たっていますね」
その課題が顕著に出たのが柴田慎吾監督体制の初戦、第26節のブラウブリッツ秋田戦である。右サイドでスタメン起用された原だったが、秋田の圧力に押されたチームにリンクするかのごとく、原自身も消極的なプレー選択が目立ち、持ち味を発揮できずに推移。前半の36分には自身のドリブルでのボールロストから失点にもつながった。