Jリーグの開幕から30年余り。歴史が重なるうちに、万人規模のスタジアムで戦うトップチームだけでなくクラブの下部組織にも多くの実績が生まれている。今回はJリーグが今年7月に発表した2024年度の決算をもとに、アカデミー関連経費が高いクラブをランキング形式で紹介する。未来への投資に最も熱心なのはどのチームだろうか？※情報は9月3日時点のもの。

5位：川崎フロンターレ

2024年度アカデミー関連経費：4億200万円
前年度経費：3億5100万円

　鬼木達監督時代に一時代を築いた川崎フロンターレは、育成の名門としても広く知られている。現サッカー日本代表に名を連ねる板倉滉や三笘薫、田中碧ら海外の第一線で活躍するスター選手が軒並み川崎の下部組織出身で、アカデミーの成果は枚挙に暇がない。

　2020年代に入ってからも、今夏トッテナム・ホットスパーに移籍した高井幸大をはじめ、今年7月の東アジアE-1サッカー選手権2025決勝大会 韓国で日本代表に初招集された大関友翔らが次々と現れ、育成の充実ぶりは健在だ。

　今回のランキングにおけるトップ5のクラブはアカデミー関連費用で4億円を超える規模の投資を行っているが、川崎の実績を鑑みるとむしろ安く感じられる。

　同クラブは2024年度の決算で最終赤字6億5000万円を記録しているが、それ以前は新型コロナウイルスの影響を受けた2020年を除きほぼすべての年を黒字で終えている。

　Jリーグ屈指の健全経営を可能にしているのも、この育成力あってのものだろう。

　高井の移籍金も580万ユーロ（約9.8億円）と言われており、大きな収入源となっている。単純計算で年間のアカデミー関連費用の2倍以上にあたる収益を、たったひとりの契約で稼ぎ出したことになる。

　未来への投資がやがて自分たちの利益になると考えると、様々な観点から有意義なお金の使い方と言えるだろう。

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