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コラム 3か月前

サッカー日本代表の深刻な左サイド不足。結局、左WBとして機能するのは三笘薫だけ…。ベストメンバーが揃えば【西部の目】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

 サッカー日本代表は現地時間9日、国際親善試合でアメリカ代表に0-2で敗戦。メキシコ代表戦からメンバー総入れ替えで挑んだ一戦だったが、プレーの水準を保てず苦しい内容となった。ただし浮き彫りになった課題は明確で、収穫もある。W杯本番に向け、日本代表は何を修正するべきか。(文:西部謙司)

ハイプレスが裏目に出た試合

アメリカ代表戦に臨んだサッカー日本代表
【写真:Getty Images】

 こうなってしまうのか、という感想である。メキシコ代表戦から先発をすべて変えた。メンバーは違っても同じことをやろうとしていた。ところが結果はかなり違ってしまっていた。

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 中2日で移動もある。選手の入れ替えは予想されていた。FIFAワールドカップ(W杯)で最大8試合を戦うことを思えば、総入れ替えはないにしてもターンオーバーは不可避になる。

 森保一監督は「いざとなれば全部1対1にしてしまえばいい」と話していたことがあった。カタールW杯のドイツ代表などはまさにそのとおりにやって勝っている。1対1にしてしまえばいい、という発想は歴代の日本代表にはなかったもので、それだけ日本代表選手のレベルアップを実感したものだ。

 アメリカ合衆国代表戦は、それが裏目に出た試合と言っていいかもしれない。攻守に1対1で上回るつもりがそうはならず、メキシコ代表戦で威力抜群だったハイプレスはアメリカ合衆国代表戦では1対1で外されたことでひっくり返されていた。

 メキシコ代表戦はハイプレスが見事にはまっていて、その時間帯では日本代表が圧倒していた。技術に定評のあるメキシコに対して有効なら、W杯でも一部の強豪国を除けば通用する可能性は高い。

 ハイプレスが機能しているうちに得点すること、ハイプレスが終息したときの戦い方。この2つが課題として残ったが、主導権を握った戦いができる手応えはつかめたと思う。

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