北海道コンサドーレ札幌の浦上仁騎の座右の銘は「雑草魂」だ。大宮アルディージャU-18時代にトップ昇格が見送られるなど、これまでエリート街道を歩んできたわけではない。どんな環境でもあきらめずに這い上がってきた28歳は今、「数時間ごとに残留か移籍かで揺れた」という6月の決断を経て、札幌のJ1昇格のために全てを捧げて戦っている。(取材・文:黒川広人)
残留か?新たな挑戦か?3ヶ月前の浦上仁騎の心は揺れていた
【写真:Getty Images】
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6月の移籍ウインドーでRB大宮アルディージャから北海道コンサドーレ札幌への完全移籍を果たした浦上仁騎。彼の加入後の札幌の成績は10試合で6勝1分3敗。加入前、6勝3分9敗と苦しんでいたチーム浮上の原動力となっている。
だが、3ヶ月前の浦上の心は揺れていた。アカデミー時代から長らくエンブレムを背負うことを望み続けてきたクラブで挑戦を続けるのか、はたまた新たな挑戦に踏み出すべきか。
高校と大学卒業時も渇望していた大宮での活躍。その想いはAC長野パルセイロとヴァンフォーレ甲府での計4年でゲームに絡み、自身の存在価値を高めることで引き寄せた。だからこそ、プロとしてピッチに立つ大切さを人一倍感じている。
「僕は大宮アルディージャというクラブに育成からお世話になっていて、トップ昇格はできなかったけど長野・甲府を経て、大宮に加入できました。しかし、今年に関しては半年間大宮でなかなか試合に出られず、悔しいという言葉では表現できない感情で過ごしていました。そんな中、札幌が声をかけてくれて、チャレンジしないわけにはいかないなと」
だが、大宮の血が流れているとも語ったほど愛着あるクラブを離れ、札幌に完全移籍を決断するまでの葛藤は並大抵のものではなかったという。