多くの日本人選手が欧州の主要リーグへ渡り、実際にピッチに立って活躍する時代になった。しかし、高い評価を受ける選手も多い一方、クラブやファンの期待に応えられなかった選手もいる。今回は、欧州主要リーグのクラブに移籍したが、多くの批判を浴びた歴代日本人選手を紹介する。(※成績などのデータは『transfermarkt』を参照)
DF:酒井高徳(さかい・ごうとく)
生年月日:1991年3月14日
クラブ:ハンブルガーSV(ドイツ)
在籍期間:2015年7月6日〜2019年8月14日
通算リーグ戦成績:83試合1ゴール3アシスト
酒井高徳は、多くの日本人選手が活躍するドイツ・ブンデスリーガで存在感を示したが、後味は良くなかった。
酒井は2015年夏にシュトゥットガルトからハンブルガーSV(HSV)に移籍。加入2年目の2016/17シーズンにはチームのキャプテンに就任し、ブンデスリーガのクラブで史上初の日本人キャプテンとなった。
このとき、HSVは苦しいシーズンを過ごし、シーズンラスト3試合無敗で乗り切ったことで、なんとか残留を果たした。
最終節に残留を決めてピッチ上で見せた酒井の“男泣き”は、ファンの心にも残っているはずだ。
しかし、翌2017/18シーズンはチームの不振が続き、クラブ史上初の2部降格を喫する。酒井は降格時のキャプテンという不名誉な肩書を背負うこととなった。
2部に降格してもHSVにとどまった酒井だが、ファンとの関係は悪化している。
1年での1部復帰が失敗に終わったあと、2018/19シーズンの最終節デュイスブルク戦では、途中出場した酒井に対し、スタンドからブーイングが飛び交った。
試合後、酒井はメディアに対し「一人の選手を槍玉にあげるのは疑問」と語り、不満を露わにした。
その言葉通り、同年夏にヴィッセル神戸への移籍が決まり、ドイツを離れた。
HSVはブンデスリーガ優勝3度を誇る名門。降格の現実を受け入れられないファンにとって、キャプテンだった酒井は怒りの矛先となってしまった。
その評価の陰には、彼が真摯にクラブと向き合った事実もあったはずだ。
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