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J1 1か月前

なぜ、いなくなった…。日本の「消えた天才」10人。才能がありながらも、伸び悩んだのは?【Part1】

シリーズ:編集部フォーカス text by 編集部 photo by Getty Images

 若くして才能を評価された選手でも、長くキャリアを続けられるとは限らない。ケガやプレッシャーなど、様々な理由でプロとしてのキャリアを早期に終えた選手もいる。今回は、かつて天才と称されながら、期待通りのキャリアを送れなかった日本人選手たちをピックアップして紹介する。成績は『transfermarkt』を参照。[1/5ページ]
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MF:市丸瑞希(いちまる・みずき)

市丸
【写真:Getty Images】

生年月日:1997年5月8日
主な在籍クラブ:ガンバ大阪、FC岐阜、FC琉球

 市丸瑞希は、ガンバ大阪ユースの黄金世代において“遠藤保仁の後継者”に最も近い存在と期待されていた。

 中学時代から抜群のパスセンスと広い視野を持ち、2012年12月には高円宮杯全日本ユース(U-15)で活躍。続いてJFAプレミアカップ、日本クラブユース選手権に優勝し、史上初となるU-15主要大会3冠達成に貢献した。

 高校2年で2種登録され、2016年には堂安律らとともにトップチーム昇格。2017年のFIFA U-20ワールドカップ(W杯)では冨安健洋、久保建英らと世界の舞台を経験した。

 U-20イタリア代表戦では正確なロングパスでアシストを記録し、タレントが揃う世代の中でも存在感を示した。

 しかし、プロの舞台では展開力を発揮する機会は限られた。守備や球際の強さが求められる中で持ち味が生きず、ガンバでの出場はほとんど叶わなかった。

 その後、FC岐阜、FC琉球と移籍を重ねたが、定位置獲得には至らなかった。

 2021年末、Jリーグ合同トライアウトを経てVONDS市原へ加入。地域リーグで奮闘するも、2023年2月に26歳で現役引退を発表した。

 その後は指導者としての道を選び、兵庫県社会人リーグ2部のFC SONHO川西でU-12監督を務めたのち、現在は同クラブのアカデミーにあたる「グスターレサッカースクール」でコーチを務めている。

 同クラブの選手紹介で市丸は将来の夢に「監督」と回答している。

 同世代の仲間には、日本代表として2026W杯で優勝を目指す選手もいるが、市丸は現在28歳にして早くも“育てる側”へ回り、別の形で日本サッカーの未来を支えている。

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