明治安田J1リーグは第35節を終え、いよいよ大詰めとなってきた。今季は例年以上に混戦模様であり、監督の力量の差も勝敗にかなりのウエイトを占めているように感じられる。今回は、今季のJ1リーグで思うような成績を残せなかった監督を5人ピックアップして紹介する。[1/5ページ]
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マチェイ・スコルジャ

【写真:Getty Images】
監督就任:2024年8月
所属クラブ:浦和レッズ
今季リーグ戦成績:14勝11分10敗(8位)
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覚悟をもって臨んだ浦和レッズの2025シーズンは、好調といえる期間がほとんどないまま終わろうとしている。
そんな浦和を今季率いていたのが、同クラブ2度目の監督就任となったマチェイ・スコルジャだ。
スコルジャは2023年、リカルド・ロドリゲスの後任として浦和の指揮官に招聘。同シーズンでは、守備の劇的な改善に成功させ、リーグ最少となる27失点の堅守を披露した。
その結果、リーグ戦では終盤戦まで優勝争いを演じ、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)ではクラブに通算3度目となるトロフィーをもたらしている。
ただ、同シーズン終了時にはプライベートの事情を理由に契約を更新していない。
このスコルジャの後釜にはペア=マティアス・ヘグモが選ばれたが、成績は前年から大きく落ち込み、クラブはボトムハーフに沈んだ。
その結果を受け、クラブは昨年8月にヘグモとの契約を解除。前任者であるスコルジャが呼び戻される形となった。
結局、2024シーズンを13位という不本意な順位で終えた浦和だったが、今季はクラブにとって昨季とは比べ物にならないほど重要なシーズンだった。
その要因のひとつが、2023年にスコルジャが出場権をつかみ取ったFIFAクラブワールドカップ(CWC)である。
世界の強豪相手に戦えるチームを作るために、マテウス・サヴィオやダニーロ・ボザなど大型補強を行い、戦力層をさらに厚くした。
そのため、J1優勝予想に浦和の名前が挙げられることも珍しくなかった。
しかし、現実はそううまくいかないものである。
開幕7戦でわずか1勝と、主に攻撃陣の連係に苦しむ。4月下旬のリーグ戦5連勝で一瞬浮上したものの、その後はパッとしない試合が続いた。
チームとしての成熟度が低いまま迎えたCWCでは3戦全敗を喫し、直近7試合はチーム全体でわずか1得点と、状況は悪くなる一方だ。特に悪目立ちしている攻撃陣は、ベテラン選手が軒並み活躍できていない。
昨季まで柏で圧倒的な存在感を放っていたサヴィオを未だにチームにフィットさせることが出来ておらず、エースの実力を引き出せていない点は気がかりだ。
監督に責任をすべて押し付けることは出来ないが、そういった部分でスコルジャに戦術面での限界が垣間見えることは否めない。