クラブの収益のためにも、スタジアムの雰囲気を高めるためにも、サッカークラブにとって、観客の存在は欠かせない要素である。多くの観客を呼び込むためには、スタジアムの立地も重要だが、理想的な場所に拠点を構えることができないクラブも多くある。今回はJリーグ全クラブを対象に、最寄り駅からスタジアムまでの距離を『Googleマップ』で調査。距離が遠い順にランキング化して紹介する。[1/5ページ]
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10位:町田GIONスタジアム
使用クラブ:FC町田ゼルビア
最寄り駅:鶴川駅
徒歩:64分
距離:4.5km
FC町田ゼルビアの本拠地「町田GIONスタジアム(Gスタ)」は、最寄りの鶴川駅から約4.5kmの距離にあり、J1クラブで唯一、このランキングに名を連ねた。
南関東に本拠を置くクラブとしても唯一のランクインだ。
町田ゼルビアは東京都に本拠を置くクラブでありながら、最寄り駅からスタジアムまで徒歩でたどり着くのが困難だ。
スタジアムは丘陵地帯に位置し、道中は坂道も多く、徒歩での来場はかなりの労力を要する。クラブ公式サイトでは約60分間を要するこの徒歩ルートを「セルフ男気コース!!」として、ユーモアを交えて紹介している。
このような“都内とは思えない”環境を、クラブは2021年から「天空の城 野津田」と銘打ってブランディングし、スタジアムの個性として発信してきた。
肝心のアクセス手段は良好とはいえないが、都内のJ1クラブということで、選択肢は豊富だ。
アクセス面の課題はあるものの、都内のJ1クラブである町田には交通手段の選択肢は豊富だ。
鶴川駅のほか、多摩センター駅、淵野辺駅、町田駅、南町田グランベリーパーク駅など複数の拠点から、無料の直行バスが運行されている。
それでも、特に利用者が集中する帰宅時は混雑を避けることができない。
アクセスの難易度が観客数に影響を与えていることは確かだ。
2025シーズン第36節終了時点での1試合平均入場者数は1万4109人で、J1全体では16位。うちGスタで開催された試合に限ると平均は1万172人まで下がる。
一方、国立競技場で開催された2試合はいずれも4万人超を記録しており、アクセスのしやすさが集客に直結することを物語っている。
2024年度のチケット収入は6億8700万円。J1平均の10億8800万円と比べると、観客動員数の改善はクラブにとって大きな課題となっている。
