現在フリーの元Jリーグ外国人監督5人【写真:Getty Images】
明治安田Jリーグの全日程が終了した今、すでに移籍市場の動きが来季の戦いに向けて活発だ。指揮官交代も珍しくない。なかでも、日本の環境を理解し、結果を残してきた外国人監督は貴重な選択肢と言えるだろう。そこで今回は現在、Jリーグ経験を持ちながら無所属となっている外国人指揮官を紹介する。※情報は12月16日時点[1/5ページ]
——————————
アンジェ・ポステコグルー

横浜F・マリノス時代のアンジェ・ポステコグルー【写真:Getty Images】
生年月日:1965年8月27日(60歳)
国籍:オーストラリア
最終指導:ノッティンガム・フォレスト(イングランド)
Jリーグ監督歴:横浜F・マリノス
30年以上の歴史を持つJリーグにおいて、日本で指揮を執った監督が欧州のビッグクラブへとステップアップする例は極めて限られている。
アーセン・ヴェンゲル(名古屋グランパス→アーセナル)をはじめ、ごくわずかな成功例しか存在しない。
そのなかで、アンジェ・ポステコグルーはJリーグを経て、世界の第一線へと辿り着いた、近年では稀有な存在だ。
現在60歳のポステコグルーは、2013年にオーストラリア代表の監督に就任。2015年には、母国をAFC(アジアサッカー連盟)加入後初のアジアカップ優勝に導いた。
そして2018年に横浜F・マリノスの監督に就任すると、就任2年目となった2019年に同クラブを15年ぶりのJ1優勝に導いた。
そうした手腕が高く評価され、2021年にはセルティックの監督に就任した。
スコットランド屈指の強豪クラブでは、2度のスコティッシュ・プレミアシップ優勝を含む、数々のタイトルを獲得。Jリーグから発掘した古橋亨梧や前田大然らとの共闘も、日本のサッカーファンの関心を集めた。
そして、2023年には遂に、世界最高峰のサッカーが展開されるプレミアリーグへ。オーストラリア人指揮官は『BIG6』の一角をなすトッテナム・ホットスパーの監督に就任した。
新天地でも「アンジェ・ボール」と呼ばれる攻撃的なサッカーを展開し、すぐにプレミアリーグで白星を積み上げた。
しかし、豊富な運動量を備え、ハイラインに対応できる優秀なセンターバックが不可欠なこのサッカーの中で、故障者が続出。主力を欠くと同時に、対戦相手の対策が進むと限界が見え始めた。
UEFAヨーロッパリーグ(EL)優勝を置き土産にして、最終的に今年6月にスパーズの監督を退任している。
その後、ポステコグルーは今年9月にノッティンガム・フォレストの監督に就任したが、7試合で1勝も挙げられず低迷。成績不振により、わずか1か月余りで解任され、現在はフリーとなっている。
Jリーグで実績を残した男の次なる挑戦に注目だ。