フットボールチャンネル

J2 9時間前

「伸びしろしかない」福森晃斗は3季ぶりに復帰した北海道コンサドーレ札幌で新たな可能性を拓く。「もっとチームも良くなる」【コラム】

シリーズ:コラム text by 竹中愛美 photo by ©︎2026 CONSADOLE,Getty Images
北海道コンサドーレ札幌 福森晃斗

北海道コンサドーレ札幌の福森晃斗【写真:©︎2026 CONSADOLE】



 北海道コンサドーレ札幌は2月14日、明治安田J2・J3百年構想リーグ地域リーグラウンド第2節でRB大宮アルディージャと対戦し、3-2で敗れた。試合終了間際に失点を許す悔しい逆転負けに終わったが、高精度な左足から何度も攻撃の起点となった福森晃斗の存在は、今後の札幌の戦い方に明るい兆しをもたらしそうだ。(取材・文:竹中愛美)[1/2ページ]
——————————

福森晃斗の左足が健在であることを示した90分間

J2・J3百年構想リーグ第2節 RB大宮アルディージャ×北海道コンサドーレ札幌

昨季12位からの建て直しを図る北海道コンサドーレ札幌【写真:Getty Images】

 福森晃斗の左足のキックが冴えわたっていた。

 開始1分、いきなり見せ場を作ってみせた。クリアボールからのこぼれ球に反応した背番号5は、右サイドの白井陽斗にボールを散らし、再び受けると、前線のアマドゥ・バカヨコにワンタッチで縦に刺した。

 バカヨコがタメを作り、白井へパスを送ると、白井はそのまま右サイドを駆け上がり、中央の荒野拓馬に折り返す。荒野からのパスを受けた左サイドのスパチョークがシュートを放ち、コーナーキック(CK)を獲得する。

 福森の左足から繰り出される正確なCKから家泉怜依が頭で合わせ、札幌がわずか3分で先制点を奪った。

 開幕節のいわきFC戦では押し込まれる時間帯が長く、枠内シュートは0本だった札幌。だが、今節は昨季、J1昇格プレーオフに進出したRB大宮アルディージャを相手に多くのチャンスを作った。



「前半は幸先よくセットプレーから点を取れて、自分たちが攻め込まれる時間もありましたけど、その後もうまく自分たちがいわき戦以上にボールを支配して、相手のゴール前まで運んで決定的なチャンスも作れていました。

 攻撃面に関しては改善されたかなと思いますけど、後半の45分の立ち上がりは攻め込まれてしまって、うまく自分たちの時間帯を作れなかったので、ボランチで出ていた以上、しっかり状況を見ながらもうちょっとチームをまとめて、やれることはあったのかなとは思う」

 開幕戦は途中出場だった福森だが、この日の試合ではボランチとして先発起用され、フル出場した。

 セットプレーでの高精度な左足はもちろん、ゴールを意識した縦へのパス、味方がほしい位置に正確に蹴れるキックと、90分間の中で随所にその技術の高さをみせていた。

「今年からボランチになって(初めて)の90分だった。練習試合でも90分やっていなかったですし、物凄く疲れましたけど、やっぱり試合に出る、プレーするところは改めてサッカーが楽しいなとも思えた。もっとチームも良くなると思う」と久しぶりのフル出場に充実感を漂わせたが、結果が得られなかったことに対する課題も口にした。

北海道コンサドーレ札幌は「一歩ずつ進んでいるという感覚」

北海道コンサドーレ札幌 福森晃斗

2019年のYBCルヴァンカップ決勝では直接FKを決めるなど、福森晃斗の左足は“悪魔の左足”とも呼ばれる【写真:Getty Images】

「3失点してしまったのも事実ですし、攻撃の組み立ての部分とか、もうちょっとうまくやりつつ、自分たちでボールを支配しながら敵陣でプレーする回数も多くして、改善していければなと。あとは無失点で。

 最後は(家泉)怜依も西野(奨太)も(髙尾)瑠も(パク・)ミンギュも(田川)知樹も体を張っててくれたので、そのシーンをひとつでも少なくするように、ボランチが潰すところは潰したり、というのをもうちょっとやっていけたらなとは思います」

 今季より指揮を執る川井健太監督が試合後の会見で「一歩ずつ進んでいるという感覚。すべてが劇的に変わることはないと思いますが、きょうの試合は前節よりも前進しています。この結果をひっくり返すために準備したい」と述べていたように、昨季12位に低迷したチームの建て直しはまだ途上の段階にある。

「我々にとって本当に2026-27シーズンに戦力となりうる選手は誰なのかというところをやらなければいけないので、結果と発掘と、この2軸は大切にしなければいけないと思います」

 百年構想リーグというこのハーフシーズンで、1年半後のJ1昇格という目標に向けて、攻撃的スタイルの再構築を図りながら、戦力を見極めていくことになる。



 まだシーズンがはじまって2試合だが、指揮官のこの言葉の意味からも、福森のボランチ起用は札幌にとって大きなオプションとなったことは確かだろう。

 福森は現在33歳。プロデビューした川崎フロンターレを経て、2015シーズンより北海道コンサドーレ札幌に加入すると、2年目の2016年、武器である左足で多くのチャンスを創出し、J1昇格に貢献した。

 2024シーズンからは期限付き移籍した横浜FCでプレーし、リーグ最多の14アシストを記録。J2ベストイレブンにも選出され、昇格の立役者となった。

 そして、今季、3シーズンぶりに札幌への復帰を果たす。川井監督も福森に寄せる期待は大きい。

「我々にとっても良い発掘」。ボランチ・福森晃斗という新たな可能性

北海道コンサドーレ札幌 川井健太監督

試合後の会見で報道陣の質問に答える北海道コンサドーレ札幌の川井健太監督【写真:Getty Images】

「彼は様々なポジションができると思います。たくさんボールを触って欲しいという部分と、我々の選手の中で守備でも攻撃でも間違いなく一番クオリティーが高い(部分がある)。

 1本のパスを通せるか、通せないかで景色が変わるので、その部分に期待しています。きょうも良いアシストをしてくれました。90分出たことは彼にとって自信になるのではないかと思いますし、我々にとっても良い発掘ができたと思っています」

 昨季所属していた横浜FCでは主戦場は左センターバックだった。前回の札幌在籍時にボランチ起用はあったが、監督が変われば、システムも当然変わる。

「もっとボールに絡まないといけないなと。監督に求められている部分は攻撃の起点になるところだと思うので、セットプレーだけでアピールするだけじゃなくて、もっと細かい、サポーターの方たちにもわからないぐらいのボールのタッチ数だったり、うまく黒子に徹してやっていかなければいけないなとは思います」

 改善点が出た一方で、ボランチとしての起用には自身の可能性も感じている。



「ミシャ(ミハイロ・ペトロヴィッチ監督の愛称)のときも数試合、ボランチをやったことがありますけど、やり方は違いました。

 今年は今年で初めてのやり方でキャンプから、コーチのズミ(小川佳純)さんに(ボールの)受け方や受ける体の向きを、キク(菊地直哉ヘッドコーチ)さんには守備のところも聞きながら、うまく自分の中で噛み砕いて試行錯誤しながらやっている段階ではある。

 まだ完成形ではないと思うし、個人的にもまだまだ良くなれると思います。伸びしろしかないと思うので、もっとうまくチームを落ち着かせる部分だったりを明確にやっていきたいなと思います」

 福森にとっては新たな挑戦ともなるわけだが、ポジティブに受け止めているようだ。

1 2

KANZENからのお知らせ

scroll top
error: Content is protected !!