Jリーグが始まって33年。戦いの記憶が刻まれた聖地も、今や老朽化という大きな壁に直面している。雨を凌げない屋根、不足するトイレ、そしてライセンスに関わる厳しい基準――。歴史の重みを感じさせつつも、アップデートが急務とされるスタジアムはどこか。今回は、サポーターの愛着と「改修への切実な願い」が交錯する、古いスタジアムをランキング形式で紹介する。(建設年は、スタジアムもしくはクラブ公式サイトを参照)[1/5ページ]
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10位:鳴門・大塚スポーツパーク ポカリスエットスタジアム
スタジアム建設年:1971年
使用するクラブ:徳島ヴォルティス
Jリーグの古いスタジアムランキング10位は、徳島ヴォルティスの本拠地である「鳴門・大塚スポーツパーク ポカリスエットスタジアム」だ。
1971年5月に開場したこのスタジアムは、徳島県鳴門総合運動公園内の陸上競技場として誕生し、半世紀以上の歴史の中で改修を重ねて進化を遂げてきた。
名勝負や歴史的な試合としては、徳島ヴォルティスがJリーグに参入する前の2002年にヴィッセル神戸の主催試合が行われ、これが徳島県内初のJリーグ開催となった記念すべき一戦として刻まれている。
施設の転換点は、徳島のJ2参入に向けた準備が進められていた2004年だ。Jリーグ基準を満たすため、芝の張り替えやメインスタンドの個席化が実施された。
さらにJ1昇格を見据えた2012年にはバックスタンドの一部を個別席化し、J1開催基準である1万5,000人の収容人数をクリア。その後も改修は続き、2014年には長らく続いたバックスタンドの改修工事が完工した。
陸上トラックを有する構造上、最新のサッカー専用スタジアムに比べれば臨場感に欠ける面は否めない。
しかし、特筆すべきは自治体とクラブによる計画的な設備更新だ。他地域の老朽化スタジアムで頻発するライセンス剥奪の危機や、巨額の予算を巡る新球技場建設論争とは一線を画す、堅実な維持管理がなされている。
JR鳴門駅から約2.1kmという立地は、地方の総合運動公園としては利便性が高い。徳島のサッカー史を支える聖地は、時代の要請に応じたアップデートを重ね、今も現役の舞台として機能し続けている。

