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コラム 20時間前

「モチベーションを保つのが大変」それでも中村敬斗がサッカー日本代表で前を向けるワケ「やっぱり代表に来ると…」【現地取材コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 フリーライター photo by Shinya Tanaka,Getty Images
サッカー日本代表 中村敬斗

サッカー日本代表の中村敬斗【写真:Getty Images】



 31日、聖地ウェンブリー・スタジアムでイングランド代表と対戦するサッカー日本代表。フランス2部でプレーする立場にありながら、日本代表の前線で重要な役割を担う中村敬斗にとって、この一戦は特別な意味を持つ。強豪撃破を狙うチームにとっての試金石であると同時に、自身の価値を証明する舞台でもあるからだ。逆境の中で迎える一戦が、その現在地と未来を大きく左右する。(取材・文:元川悦子)[1/2ページ]
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イングランド撃破に挑むサッカー日本代表

サッカー日本代表

スコットランド代表戦のサッカー日本代表【写真:田中伸弥】

「明日は完全アウェイで非常に厳しい戦いになると思いますが、勝利を目指して一丸となって戦いたい。今回、世界トップクラスのイングランドと対戦することで、我々はワールドカップ(W杯)優勝基準、世界トップ基準で何ができるのか。そこに挑んでいきたいと思っています」

 日本代表の森保一監督が普段以上に力を込めた通り、3月31日にロンドン・ウェンブリー・スタジアムで激突するイングランドはFIFAランキング4位の強豪だ。もちろん過去に一度も勝利したことはない。



 ただ、2022年カタールW杯のドイツ代表とスペイン代表戦、2025年10月のブラジル代表戦もそうだったが、歴史はいつか必ず塗り替えられるもの。今回も千載一遇のチャンスと言っていいだろう。

 第2次森保ジャパンで長く2列目の軸を担ってきた南野拓実、久保建英を欠く中、日本としては今回、現有戦力で最高峰の相手に真っ向勝負を演じることが求められている。

 そこで森保監督が辿り着いた攻撃陣の組み合わせは、三笘薫と堂安律のシャドウ起用。その大外に中村敬斗と伊東純也を配置して、臨機応変にポジションチェンジを繰り返しながら、厚みを持った攻めを繰り出していこうとしているのだ。

中村敬斗が置かれる現状

スタッド・ランスFW中村敬斗
スタッド・ランスの中村敬斗【写真:Getty Images】

 彼らは全員がウイングバック(WB)とシャドウをこなせる人材。流動的に動きながら敵をかく乱することで、これまでにはなかった色合いを示すことができる。

 それはスコットランド代表戦の最終盤にも実証されたこと。もう一段階二段階レベルの上がる強敵と対峙しても、同等以上の脅威を与えられるのか。そこはチームの生命線になりそうだ。



 上記4人のうち、中村敬斗だけは悔しいことに目下、欧州2部リーグでのプレーを余儀なくされている。

 森保監督は欧州5大リーグでの実績や経験を重視しており、フランス1部にいた昨季なら、彼は何の障害もなく招集リストに載るはずだ。

 しかし、2部へ降格した今季は状況が一変。より競争力の低いカテゴリーでの戦いを強いられているだけでなく、チームは現時点で5位。1年での自動昇格はほぼ困難な状況で、1部復帰への道はプレーオフ参戦しかないのだ。

「自分のいる立ち位置と野心というところが…」

サッカー日本代表、鎌田大地、中村敬斗
サッカー日本代表の中村敬斗【写真:元川悦子】

「よりレベルの高い環境でやりたいというのは正直、常に思っています。でも今、自分のいる立ち位置と野心というところが少しズレている。そういうところでモチベーションを保つのが大変な1年になっています」と本人も苦しい胸の内を吐露した。

 彼の中では「いつ代表から外されてもおかしくない」という恐怖を感じることも少なからずあったはずだ。それでも、指揮官が彼をコンスタントに呼び続けているのは、これまでの多くの試合で目に見える結果を残してきたことが大きい。



 とりわけ、ブラジル代表戦で決めた同点弾のインパクトは絶大だった。

「点の取れるWB」という意味で、今の中村敬斗は三笘や前田大然を凌ぐものがある。だからこそ、森保監督はイングランド代表戦でもスタメンに抜擢しようとしているのだろう。

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