
サッカー日本代表MF鎌田大地【写真:Getty Images】
現地時間3月31日、サッカー日本代表は敵地でイングランド代表と対戦し、1-0で勝利をおさめた。完全アウェイの中でW杯優勝国に白星をあげたことで、各選手は本戦に向けて確かな自信を掴んだことだろう。攻守に高いクオリティを示した鎌田大地は、冷静ながらも強豪撃破に手応えを口にした。(取材・文:元川悦子【イングランド】)[1/2ページ]
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またもやW杯優勝国を撃破したサッカー日本代表

決勝ゴール直後の日本代表【写真:田中伸弥】
2026年北中米ワールドカップ(W杯)のメンバー前最後のテストマッチとなった3月31日(日本時間4月1日未明)のイングランド戦。
サッカー母国の聖地・ウェンブリースタジアムに約8万人が集結する完全アウェイの一戦ということで、明らかに相手の方にアドバンテージがあった。
しかしながら、日本は決して怯むことなく真っ向勝負に挑んだ。
そして23分に三笘薫が奪った虎の子の1点を守り切って1−0で勝利。これで2022年カタールW杯以降、ドイツ、スペイン、ブラジル各代表に続くW杯優勝経験国撃破という偉業を達成したのである。
「保持される時間が長くなるのはもちろんあると思います。そこで粘り強く守って、自分たちがボールを握る時は握って、攻められればいい」と前日に伊東純也が話していた通り、案の定、日本は序盤から相手にボールを持たれながら耐える展開を強いられた。
それでも、鎌田大地が「自陣では中を閉めて、相手を外に出すことを意識した」と言うように、コンパクトなミドルブロックを敷いて応戦を図る。
相手がハリー・ケインをケガで欠き、トーマス・トゥヘル監督がトライしたゼロトップ的な変則布陣が機能しなかったという追い風もあって、ビッグチャンスを作らせずに時間が進んだ。
そんな状況から先制点につながる鋭いカウンターが生まれる。
始まりは三笘がプレスバックし、コール・パーマーのボールをひっかけたことだった。
守備だけではなかった鎌田大地の貢献

三笘薫の1点を守り切る【写真:田中伸弥】
その際、鎌田と佐野海舟のボランチコンビは近い距離で壁を作り、相手にプレッシャーをかけていた。
次の瞬間、鎌田はタテに展開。上田綺世から三笘、中村敬斗とつながり、最終的に背番号7が仕留める形に持ち込んだのだ。
起点のパスを出した鎌田は、してやったりの表情を浮かべる。
「相手はああいうところでの細かいプレ—には自信があると思うので、自分たちがしっかり閉めないと。取ってから後ろではなく、前に向かってプレーできて、カウンターができたんじゃないかと思います」
背番号15の仕事は強度の高い守備だけではなかった。
右を走る堂安律に鋭いサイドチェンジを出してフィニッシュに持ち込んだ50分の決定機、あと1歩で伊東の得点につながりそうだった51分のスルーパス、ドリブルで持ち上がって左の中村敬斗に展開した69分のチャンスメークなど、多種多様な形で攻撃の変化をつけていたのだ。
さらに終盤には中村敬斗と並んでシャドウにも入ったのだから、本当に獅子奮迅の働きを見せたと言っていい。
『彼を経由すれば、落ち着いて戦える』

鎌田大地を絶賛する森保一監督【写真:田中伸弥】
森保監督も「非常に素晴らしいパフォーマンスを見せてくれたかなと思います」と絶賛。
守備面での貢献度の高さを評価すると同時に、「ボールを受けた際、攻撃の部分でも、起点になったり、展開力を見せてくれて、『彼を経由すれば、落ち着いて戦える』というチームに安心感を与えてくれたと思っています」と絶対的な信頼を口にした。
キャプテン・遠藤航に加え、南野拓実、久保建英という中盤の主軸が立て続けに負傷離脱した段階から、鎌田が絶対的キーマンになることは誰もが認めていた点だ。
それは彼が美技足肉離れでリハビリ中だった昨年末、神戸で一緒に自主トレを行った香川真司も強調していたことだ。
その後、2月に復帰してからまだ1か月あまり。コンディション的には「もう大丈夫」と本人は言うものの、まだ100%の状態には至っていないだろう。
それでも、これだけの違いを見せられるのだから、本当に頼もしい限りだ。
日本が2026年北中米W杯で躍進しようと目論むのであれば、背番号15のフル稼働は絶対条件と言っていいだろう。
この試合を勝ち切り、鎌田はウェンブリーで4連勝。2024/25シーズンFAカップ準決勝アストン・ヴィラ戦、ファイナルのマンチェスター・シティ戦、今季頭のコミュニティシールド・リヴァプール戦に続く白星をつかみ、“ウェンブリー男”とも言うべき実績を積み上げた。