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欧州でさらなる高みを目指す内田篤人。CLステアウア戦で描いた知的で先鋭的なサイドバック像

2013-14シーズンのチャンピオンズリーグ初戦、ステアウア・ブカレスト戦。内田篤人は先制点をマークするなど、3-0での勝利に貢献した。サイドバックとして内田はチームに何をもたらしたのか?

text by 本田千尋 photo by Ryota Harada

「サイドバックでボールを取られると前に進まない」

内田篤人
内田篤人【写真:原田亮太】

 内田篤人には、今シーズンも掲げるテーマがある。サイドバックからのビルドアップ(=攻撃の組み立て)である。

「相手チームがハメてくる、ディフェンスの取りどころ、っていうとやっぱりサイドバック。ま、中から外に追い込んで、っていうのが今のサッカーのスタンダードというか、普通なんで。

 そこでボールを取られているようだと、全然前に、一向に進まない。サイドバックがボールを持ったら、次に出すところは大切だと思う」

 ボランチであれ、サイドバックであれ、強いチームにはボールを回せる選手がいる。内田もそんな選手を意識している。低い位置で貰おうが高い位置で貰おうが、しっかりと次の選手、いい攻撃に繋がるような「際どいパス」を狙っているのだ、という。

「サイドバックからのボールは一発目だし、そこであたふたすると、ゲーム自体もどっち付かずのつまんないゲームになっちゃう。一番初めに見ているのはフォワード。フンテラールとか。アダムとか、入ってきたけど。ああいう選手は、ポストプレー上手なんで」

 フォワードだけでなく、中盤の選手も見ている。しかし、ファルファンを上手く使うのであれば、ファルファンにボールを出すのではなく、1つ前に出してあげる。そうすれば、ファルファンも前を向いてボールを受けることができる。

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