明治安田J1百年構想リーグ地域リーグラウンド第11節、鹿島アントラーズ対浦和レッズが18日にメルカリスタジアムで行われ、1-0で鹿島が勝利した。
鹿島アントラーズDF濃野公人が劇的ゴール
前半から鹿島にチャンスはあったものの、連敗中の浦和も簡単にはゴールを割らせてくれない。残り時間が10分を切るまで、スコアレスの状態が続いていた。
スコアを動かしたのは、背番号22の一振りだった。
途中出場の師岡柊生の右CKが相手のストーンに弾かれ、こぼれ球をマテウス・サヴィオが拾う。
カウンターを繰り出そうとしたところで、濃野公人が寄せてボールを奪うと、濃野の目前にはスペースが生まれた。
濃野が迷いなく右足を振り抜くと、シュートは石原広教に当たってコースが変わり、ゴール左隅に吸い込まれた。
勝利を手繰り寄せるスーパーゴールから時間を遡ること1分少々。CKを獲得したのは右サイドで身体を張った師岡だった。
相手が触れたボールがゴールラインを割り、CKの判定。師岡はゴール前に向かって歩いていたが、知念に止められ、コーナーフラッグに小走りで向かった。
「(キッカーは)人生初めてでした。知念(慶)くんに言われて、『俺意外いない?』って話したんだけど。あんなミスキックみたいなのだったけど点になったので結果オーライ」
この試合では柴崎岳がセットプレーを蹴っていたが、およそ5分前に知念と交代でベンチに下がっていた。荒木遼太郎や樋口雄太、小川諒也、チャヴリッチもこのときはベンチに座っていたため、一時的にキッカーがいない状況が生まれていた。
人生初めてのCKのキッカーを務めることになった師岡。どこか落ち着かない様子でボールをセットすると、キックは大きくショートして相手にはじき出された。
「おまえじゃないだろって思いましたけど、ベンチからの指示だったみたいですけど、そうやってキッカーがいない中でも点が生まれた良かった」
安堵の表情でこのシーンを振り返った三竿は、予想外の事実を明かした。
「サインもわかってなかったみたいなので、そこはちゃんとミーティングを聞いてくれって(笑)。(ゴール前の選手は)どこに来るかも分からない状況だった」
味方をも欺く師岡の即興プレーだったということだろうか。
振り返ると前節でも、「誰が蹴る?」問題は発生している。このときは林晴己がスポットに立ったあとでチャヴリッチが務めることに。これが遅延行為と取られて林にイエローカードが提示されている。
柴崎、樋口、荒木、小川ら優れたプレースキッカーを数多く抱える鹿島だが、彼らの誰もピッチにいないという状況は今季だけでも複数回ある。
鹿島は今季19得点中8得点をセットプレーから決めており、セットプレーの流れを含めると過半数近くに達する。
中後雅喜コーチを中心に綿密に練られたセットプレーが鹿島の得点源になっているが、今回はスクランブルな状況から生まれた偶然がゴールにつながった。
(取材・文:加藤健一)
