合宿2日目を迎えたサッカー日本代表【写真:元川悦子】
FIFAワールドカップ(W杯)北中米大会本番に向け、25日から千葉市内で本格始動したサッカー日本代表。活動2日目となった26日も、39歳の長友佑都、3年半ぶりの代表復帰となった吉田麻也や堂安律ら13人で調整した。
W杯に向けて調整を進めるサッカー日本代表
初日は1時間程度の軽いメニュー中心だったが、この日はウォーミングアップ、ストレッチから入り、ボール回しへと突入。序盤から飛ばし気味のスタートとなった。
このボール回しでは、長友、吉田、堂安に加えて、中村俊輔コーチが同グループ入り、大声が飛び交う中での攻防となった。
長友と中村コーチが守備に入り、ボールをカットした際には「南アフリカ(2010年南アW杯組)をなめるなよ」と長友が歓喜の雄叫びを上げるシーンもあり、本気モードの戦いが繰り広げられた。
その後、パスをつなぎながらポケットを取ってゴールを狙う攻撃パターンをいくつか消化した。途中で前田遼一コーチから「できるだけ深い位置を取って」と指示が飛ぶと、堂安がゴールラインを割ったところまでボールを追いかけ、上げたクロスが上田のお尻に当たるハプニングも発生。上田は苦笑いしていたが、それだけ実戦モードの緊張感あるプレーが続いた。
右鎖骨骨折からの回復途上にある鈴木唯人はここで全体練習から外れて別調整へ。残りの12人は狭いグリッドでの3対2を経て、ピッチの4分の1を使った5対5+GKに突入。組み分けは、赤ビブスが長友、上田綺世、佐野海舟、中村敬斗、渡辺剛、早川友基、ビブスなしが吉田、堂安、小川航基、瀬古歩夢、菅原由勢、大迫敬介という形だった。
このゲーム形式で異彩を放ったのが、上田と中村。1本目の最初に上田が豪快な右足シュートを決めると、練習場に集まった大勢のファンから驚きの声があがった。上田は1本目だけでハットトリックを達成。中村も鋭いシュートを何本か放ち、2本目のラストにゴール。いい形でトレーニングを締めくくった。
南野拓実、三笘薫という重要な得点源2枚を欠く今回のW杯では、上田、中村の決定力が大いに期待される。
もちろん2022年のカタールW杯で2ゴールを記録した堂安ら、その他の活躍も必須ではあるが、決めるべき選手が確実にゴールを奪うことで、日本史上初のベスト8以上の結果に近づくはず。選手たちにはそれを念頭に入れて、状態を引き上げてほしいところだ。
この日の全体練習は1時間半で終了。前日とは比べ物にならないほど負荷が上がった印象だった。長友とともにフル稼働した吉田も、代表基準のパフォーマンスを今も維持していることを示していた。
感想を本人に伝えると、「いやいやいや、年を取れば取るほどやらないといけない。(強度を)上げて疲れても、寝れば何とかなるからね」と爽やかな笑顔でコメント。百戦錬磨のベテランの奮闘は、20代の面々に大きな刺激を与えていることだろう。
「麻也さんは今までの経験をいろいろ話してくれていますし、持っているものを全て還元してくれているというのは感じます。プレーのところでも『麻也さんがあれだけやっていたら、自分たちもやらなきゃ』って思いになりますし、それをピッチ内外で見せてくれる素晴らしい存在だと思います」と早川はリスペクトをにじませた。
吉田や中村俊輔コーチといったレジェンドが加わった効果が31日のアイスランド代表戦でどのように出るかはまだ未知数の部分があるが、今のところは前向きな機運が漂っていると言っていい。
順調な滑り出しを結果につなげるべく、森保一監督には引き続き、的確なマネージメントを見せてほしいものである。
(取材・文:元川悦子)