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現役J監督に映る日本代表。もう「新しいステージに入っている」。だからスウェーデン代表には「勝たなきゃ」

シリーズ:コラム text by 高橋大地 photo by Getty Images,Shinya Tanaka

北中米W杯 GS第2節 vsチュニジア サッカー日本代表 試合後
チュニジア代表に勝利した日本代表【写真:Getty Images】



 FIFAワールドカップ2026(北中米W杯)で、日本代表は第2戦のチュニジア代表戦に4-0で快勝した。シュタルフ悠紀監督は「日本代表は新しいステージに入っている」と評価する。チュニジア戦で見えた収穫とは何か。そして、強力2トップを擁するスウェーデン代表にはどう向き合うべきなのか。現役監督の視点から、第2戦の評価と第3戦のポイントを聞いた。 (取材・文:高橋大地)[1/2ページ]

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日本代表は「新しいステージ」に入った

中村敬斗
日本代表はチュニジアに4-0で快勝した【写真:Getty Images】



――大事な2戦目、チュニジア戦は4-0の快勝でした。

シュタルフ:オランダ戦の前にも言いましたが、日本代表は新しいステージに入っていると思うんです。勝つべき相手には、当たり前のように勝つ。チュニジア戦の勝利は、それを証明するものだったと思います。

 内容的にも、相手にほとんど何もやらせず、本当にいいゲームでした。

 オランダ戦前から話していた「どれだけ主体性を持ってゲームを進められるか」という観点でも、今回は自分たちのゲームを貫き通すことができた。そうなった時、今の日本代表は本当に強い。監督交代などでバタバタしていたチュニジアでは、やはり歯が立たなかった。シンプルに日本の方がいいチームだったということが、スコアにも内容にも表れたんじゃないかなと思います。

――試合前に、チュニジアのスリーバックと10番(ハンニバル・メイブリ)を擁する中盤のライン間にスペースができるという話をしていただきました。シュタルフさんがレッドゾーンと呼んでいるスペースですね。日本の得点につながったシーンも、レッドゾーンに縦パスがうまく入ったところが多かったと思います。そのあたりはどう見ましたか。

シュタルフ:そこは監督が変わって、修正してくるかなと思っていたんですけど、あまり修正が効いていなかったですね。システムは、5-3-2から5-4-1に変更して中盤の枚数を増やしていましたが、それによって日本のビルドアップに対するフォワードの規制が弱くなっていました。

 日本のバックラインから、ボランチの田中碧まで、ほとんど規制のかかっていない状態でボールを持てていました。スリーバックの前のスペース、ボランチの背中には、かなりボールを入れられていたと思います。

 1点目は、チュニジアの左ウイングバックの背後をとったところで、中央の田中碧にロブパスが入り、そこから左の中村へ流していく展開だったと思います。

 2点目は、板倉から上田綺世にきれいな縦パスが入りましたし、3点目も田中碧が上田に縦パスを刺して、フリックに反応した伊東純也が背後を取った形でした。

 4点目は、もう一つチュニジアの弱点だと指摘していた、ウイングバックの裏を突けた形だったと思います。前線で奪って、押し上がっていたウイングバックの背後を使い、そこから抜け出した佐野に流し込んでクロスからの素晴らしいゴールでした。

 それ以外にもチャンスはありましたし、本当に内容を含めて良かったですね。守備でもオランダ戦より前から行くシーンがありましたし、行くべきところではしっかりプレスに行けていたと思います。

上田綺世は「シンプルにすごいと…」

日本代表FW上田綺世
チュニジア戦で2ゴールを決めた上田綺世【写真:田中伸弥】



――上田選手が初ゴールを決め、その後ヘディングでも追加点を挙げて2ゴールを記録しました。ストライカーとしてはどう見ましたか。

シュタルフ:上田に限らず、今の日本代表の選手はシンプルにクオリティが高いですよね。この前のオランダ戦の小川航基のヘディングもそうですし、選ばれていない選手の中にも、いい選手はたくさんいると思います。

 ただ、今日の上田の2ゴールは、ごっつぁんゴールでも何でもなく、どちらもかなり難易度の高いシュートでした。シンプルにすごいと思いました。この2ゴールで、さらに乗ってくれるといいですよね。上田が乗ると、チームも本当に生き生きすると思うので。

――他に攻撃面で評価したいポイントはありますか。

シュタルフ:攻撃のスイッチを入れるという意味では、伊東純也が入ったことも大きかったと思います。もちろん久保建英の怪我は残念ですけど、僕は伊東純也も好きなので。やっぱりスピード感が出るんですよね。

 チュニジア戦では、切り裂くような動き出しが非常に効いていましたし、全員が流れるように攻撃へ参加していくスピード感も良かった。田中碧も良かったですし、鎌田の一個前のプレーも良かったと思います。

本当に機能していたので、森保監督の采配も含めて、すごくいいゲームだったんじゃないかなと思います。

――メキシコ・モンテレイの雰囲気も、日本のホームのように感じられました。ああいうサポーターの後押しは、監督目線、選手目線でも影響するものですか。

シュタルフ:僕はあの規模のサポートをピッチレベルで感じたことはないので、言っても1万人ちょっと、1万5千人ぐらいの世界です。何万人ですかね、5万人とかですか。それはもう想像を絶するものがあると思います。

 でも、人数に限らずチームの力にはなるんです。それがあれだけの人数とスタジアムで、自分たちの国のチャントばかりが聞こえてくる状況なら、間違いなく「あと一歩を踏み出す力」になると思います。

スウェーデンは「点差ほど悪いイメージはない」

オランダ代表対スウェーデン代表
スウェーデン代表はオランダ代表に1-5で敗れた【写真:Getty Images】



――次に第3戦の相手、スウェーデン代表について伺います。スウェーデンは第2節のオランダ戦で、1-5と大敗しました。

シュタルフ:点差ほど悪いイメージはないです。ウィークが出てしまっていたけど、ストロングもある。ただ、オランダに対しては少し噛み合わせが悪かったのかなと思います。

 フォーメーションは5-3-2でした。オランダ戦ではワイドにピン留めされて、ウイングバックをあまり積極的に押し出せなかった。強力なツートップも守備で規制をかけられるタイプではないので、オランダに自由に持たれてしまった。日本の対オランダ戦で懸念していた、オランダのストロングを出しやすいような守備になってしまったのかなと思います。

 セオリーとしては、オランダの組み立ての段階でサイドバックに対してウイングバックを出していきたい。ただ、ヨーロッパのチームはピン留めに対して躊躇するケースが多いように感じます。

 昔、僕が欧州にいた頃の話をすると、後ろを数的同数で守りたがらない指導者が多いんです。押し出した瞬間に、ワイドに張っている選手がフリーになる状況を嫌がる選手も多い印象です。そこで、オランダの少し低めのサイドバックに対してプレッシングに出るか、出ないかの迷いを感じました。

 その迷いから、サイドのスペースを突かれてクロスを上げられるパターンになっていた。サイドは違いましたが、3失点は、全部その形だったと思います。

 中の対応も良くありませんでした。伝統的に、スウェーデンは守備が堅いチームだったと思うのですが、シンプルな個人レベルでのクロス対応がすごく甘かった。1対1の対応もそうです。4点目、5点目は相手が強烈な個性があるにせよ、コーディ・ガクポとクリセンシオ・サマービルに個人で運ばれて決められてしまったので。 そこが欧州予選で苦戦した要因なのかなと思いました。

 ただ、飲水タイム以降は、少しの間は立て直したんですよね。右のウイングバックを積極的に押し出すようになって、見た感じでは4-3-3っぽい守備になる。左に引っ張っていって、そこで迷いが減り、ミドルゾーンで少し構えられるようになって、プレッシャーにも行けるようになった。

 守備で可変すると、攻撃に入った時にポジションがずれるので、オランダも少しつかみづらそうでした。ボールを失った瞬間のカウンター攻撃でもチャンスを作っていたので、あそこで1点でも入っていれば、まったく違うゲームになっていた可能性はあると思います。

 セットプレーにも注意が必要です。実際に一度ネットを揺らしていましたが、50センチぐらいのオフサイドだったと思うので、あの場面は試合の分岐点だったと感じます。

 ただ、3失点目もそうですが、結局ウイングバックを押し出しても、4枚と5枚を使い分けるみたいな難しい形で、最終盤でまたウイングバックが戻らなければいけない。その戻りが甘くなり、ガクポに決められた3点目のように、逆サイドからえぐられる形もありました。終始、そこのアンマッチに苦戦していたと思います。

 日本はたぶん5バックで行くと思います。チュニジアも5バックだったので、そうするとマッチアップのズレがない。スウェーデンがオランダに大敗した一つの要因として、対4バックが苦手なのかなという印象はありました。

 前線2枚の迫力もありますし、途中からはものすごいスピードを持った選手も出てくる。侮れない相手ではあると思います。

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